週間為替展望(ドル/ユーロ)-米中の経済指標と通商合意検証に要警戒
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◆ドル円は、米国債償還に伴う円高圧力や米中対立激化懸念で軟調推移か
◆米中の7月消費者・生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産にも要注目
◆ユーロドルは、ユーロ圏6月小売売上高や独8月ZEW景況指数に要注目
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円 103.00-108.00円
ユーロドル 1.1500-1.2000ドル

8月10日週の展望
 ドル円は、8月15日前後の米国債償還・利払いに向けた円高圧力、15日前後の米中第1段階通商合意の検証を受けた米中対立激化懸念、米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策と量的金融緩和政策の長期化観測、米国での新型コロナウイルス感染拡大懸念などから、上値が重い展開が予想される。
 8月のドル円相場は円高で推移する傾向があるが、一つの要因として、8月15日の米国債償還・利払いに伴う円転が挙げられる。さらに、今年は15日前後にライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と劉鶴中国副首相が、米中第1段階通商合意を検証することが計画されている。新型コロナウイルスの感染拡大や米中対立激化により、中国の農業・エネルギー分野での購入額が第1段階通商合意の目標を下回っているため、米国が合意順守に向けて圧力をかけることで米中対立が激化する可能性がある。
 また、米国のリセッション(景気後退)が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて長期化する可能性が高まっていることで、FRBのゼロ金利政策、量的金融緩和、信用緩和が来年以降も続き、米国債利回りが全年限に渡り1%を下回る可能性が警戒されており、ドル売り要因となっている。さらに、トランプ大統領が、米国のリセッション入りや新型コロナウイルスの感染を拡大させた不手際により米大統領選での再選が危ぶまれていることも、ドルの上値を重くしている。
 リスクオン要因としては、新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の開発進展報道、トランプ政権によるコロナ景気対策第4弾の成立などが挙げられる。
 米国と中国の7月消費者・生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産が発表されるが、両国の財政出動や金融緩和策によって、好調な数字が予想されている。しかしながら、7月後半から米中両国とも、新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあることで、8月以降のデフレ圧力、景況感低迷への警戒感が払拭されないままとなっている。
 ユーロドルは底堅い展開か。欧州連合(EU)復興基金(総額7500億ユーロ=補助金3900億ユーロ+融資3600億ユーロ)が創設されたこと、米国債利回りが全年限で1%を割り込むことへの警戒感から、底堅い展開が予想される。ユーロ圏6月小売売上高や独6月鉱工業生産を見極めながら、英国とEUの自由貿易協定(FTA)交渉や新型コロナウイルスの感染拡大状況を見極めていく展開が予想される。ユーロ円は、米国と欧州・中国との貿易戦争や対立激化への警戒感からの伸び悩む展開か。

8月3日週の回顧
 ドル円は106.47円から105.30円まで下落。米中の対立激化への警戒感が高まりつつあること、米国株式市場の上昇と米10年債利回りの低下を受けたリスク選好地合いで、ドルは全面安の展開となった。米7月失業率は10.2%、非農業部門雇用者数は前月比+176.3万人だった。ユーロドルは、EU復興基金の創設を好感した買いが継続しており、米10年債利回りの低下や6月独製造業新規受注が前月比+27.9%と大幅に改善したことで、1.1696ドルから1.1916ドルまで上昇した。ユーロ円は、リスク選好地合いで、124.00円から125.58円まで上昇した。(了)
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