週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、一段の上昇余地は小さいか
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◆英中銀、マイナス金利導入の思惑はやや後退も、追加緩和を排除せず
◆ドル安が一服すれば、ドル安からのポンド高に大きな調整が入る可能性も
◆加ドル、ドルや原油相場に左右されるも落ち着いた動きか
(為替情報部・金 星)

予想レンジ
ポンド円 134.50-140.50円
加ドル円 76.50-81.50円

8月10日週の展望
 ドル全面安の流れが続く中、ポンドドルは7月に大幅上昇し、対円でも底堅い動きとなり、8月に入っても高値圏での推移が続いているが、ポンド独自の買い材料が乏しく、一段の上昇余地は小さいか。
 イングランド銀行(BOE)は今週、政策金利を過去最低の0.1%に据え置きし、資産購入プログラムの規模を7450億ポンドに維持することを全会一致で決定した。また、インフレ見通しがより明確になるまで金融政策を引き締める予定はないと表明した。インフレ見通し(前回は5月)は今年を+0.6%から+0.25%に引き下げる一方、2021年を+0.5%から+1.75%に引き上げ、インフレ目標の2%に達するのは2022年になるとした。市場では来年のインフレ見通しを引き上げたことで、マイナス金利導入への警戒感がやや緩んだが、BOEは追加緩和を排除しないと表明しており、資産買い入れ規模の拡大やマイナス金利導入の可能性が消えたわけではない。
 英政権はコロナ対策として労働者向けに給付金を支給しているが、10月にかけて段階的に削減される予定だ。コロナ感染の第2波が深刻になれば経済の回復ペースはさらに鈍化し、ドル安を背景に進んだポンド高に値幅を伴った調整が入る可能性がある。来週は4-6月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。BOEは今年のGDP見通しを-14%から-9.5%に引き上げ、来年は+15.0%から+9.0%に下方修正した。コロナ感染拡大の影響と欧州連合(EU)との貿易交渉をめぐる先行き不透明感が上値を圧迫しており、ポンドのさらなる上昇余地は限定的になるか。7月の交渉ラウンドでは大きな進展が見られず、EUが考える貿易交渉の期限である9月に向けて8月も交渉を続けるが、早期の進展は見込みづらい。年末にかけて交渉が続き、年内に限定的な合意に至るシナリオをメインシナリオとしている。
 来週、加国内では主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、加ドルは引き続きドルや原油相場を眺めながらの展開となりそうだ。7月はドル安が目立ち、加ドルも対ドルで上昇したものの、主要国通貨の中で最も小幅な上昇にとどまった。コロナ感染の拡大が深刻で、中国との対立を深めている米国とカナダは国境を接しており、経済的なつながりが深いのが大きな要因の一つだ。
 6月以降に小売売上高や消費者マインドは持ち直す傾向がみられる。しかし、加国内でコロナ感染者が増えていることや、家計負債残高が高水準で推移しており個人消費の順調な回復への懸念が出ていることなどが、加ドルの上値を圧迫する要因となっている。ドル安が巻き戻される局面でも、加ドルはほかの通貨より下げは浅く、緩やかな動きが続きそうだ。

8月3日週の回顧
 BOEが来年のインフレ見通しを引き上げ、マイナス金利導入の思惑が後退したことを支えに、ポンドドルは1.31ドル後半まで上昇し、ポンド円は139円前半まで買われた。ドル安の流れが続く中、ドル/加ドルは1.32加ドル前半まで加ドル高が進み、加ドル円は79円後半まで上昇するなど、加ドルは底堅い動きとなった。(了)
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