東京為替見通し=ドル円のレンジブレークは難しいか、英議会によるポンドの動きには要警戒
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 欧州市場でドル円は、対欧州通貨を中心としたドル売りに押され、先週のレンジ下限だった105.80円をブレイクすると一時105.55円まで下げ足を速めた。しかし、105円台半ばに観測されている買いオーダーをこなせず、一巡後は対欧州通貨を中心にドルが下げ渋ったこともあり105.70円台まで下値を切り上げた。
 ユーロドルは、対ポンド主導で欧州序盤から持ち高調整のドル売りが広がったことにつれて、NY序盤には一時1.1888ドルと日通し高値を付けた。もっとも、その後はポンドが失速するにつれて上値が重くなり1.1860ドル近辺まで押し戻された。

 ドル円は昨日の下落で、先週のレンジの下限を割り込んだ。しかしながら、ドル円がここから急に下降トレンドに入ると考えるのも時期尚早だろう。
 7月31日に104.19円を記録して以後、ドル円は105円前半が底になったことが度々ある。105円台を維持している限りは、投資家も輸出勢も慌てて売りに走ることは考えづらく、むしろ手堅く105円前半で買いを抑えてくる輸入勢や機関投資家も多そうだ。
 本日は、自民党総裁選に勝利をおさめた菅氏が、正式に首相に指名される予定だ。本来ならば閣僚指名に注目が集まるが、為替相場にとって最重要な財務相がすでに麻生氏の再任で内定していることで、閣僚指名が為替に与える影響は限られそうだ。
 ただし、一時的に自民党の支持率が高まっていることで、解散総選挙になった場合、これまでの安倍政権の失政を国民がどう捉えるかにより自民党の優位が変わる可能性もあり、本邦の政治的な動きが為替に与える影響を軽視するのは危険かもしれない。
 米国では本日に、著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏がトランプ米大統領についてのインタビューなどを含む内容を記した新著「Rage(怒り)」が発売される。米国ではすでに大統領が様々な嘘をついていたことが、先週から話題になっている。
 しかしながら、大統領の明らかな嘘が表面化しても、大統領支持者が不支持に変わることもないことで、当面は余程のことがない限り支持率が大きく変わることはなく、為替市場に直接影響を与えることは少ないか。
 ただし、内政での失政が暴かれるほど、大統領は外交での成果を表そうとする傾向がある。米国の駐中国大使の退任なども決まり、米国の対中圧力が増大することは考えられるので、米中関係のヘッドラインには常に注目しておきたい。
 ドル円はレンジ内のトレードになりそうだが、今日もポンドを中心とした欧州通貨は神経質な動きになりそうだ。
 英労働党は国内市場法案を修正することができる法案を提出した。この法案は日本時間の早朝に349対213で否決されたことはジョンソン英首相にとっては一歩前進だが、実際の国内市場法案の行方はまだ未知数だ。
 本日は英国から8月英雇用統計が発表されるが、今週は英国からの経済指標よりも、ブレグジットをめぐる政治的な動きや金融政策委員会(MPC)などがポンドをより動意づけることになるだろう。
 なお、アジア時間では9月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨や4-6月期豪住宅価格指数が発表されることで、豪ドルが動意づく可能性は高い。しかし、豪州の最重要経済指標の雇用統計が17日発表されることで、豪ドルも雇用統計までは大きなトレンドを作るのは難しいかもしれない。

(松井)
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