欧州マーケットダイジェスト・8日 原油急落・株大幅高・金利低下・ドル持ち直し

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.45円(8日15時時点比△0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=184.98円(▲0.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1674ドル(▲0.0017ドル)
FTSE100種総合株価指数:10608.88(前営業日比△260.09)
ドイツ株式指数(DAX):24080.63(△1159.04)
10年物英国債利回り:4.711%(▲0.193%)
10年物独国債利回り:2.944%(▲0.140%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
2月独製造業新規受注
(前月比)     0.9%     ▲11.1%
(前年比)     3.5%     0.3%・改
2月仏貿易収支
   57.78億ユーロの赤字 20.15億ユーロの赤字・改
2月仏経常収支
    18億ユーロの赤字  23億ユーロの黒字・改
3月スイス失業率
         3.1%      3.2%
3月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
         45.6       44.5
2月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比)   ▲0.7%     0.8%・改
(前年比)   ▲3.0%    ▲2.0%・改
2月ユーロ圏小売売上高
(前月比)   ▲0.2%     0.0%・改
(前年比)    1.7%     2.1%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。米国とイランが2週間の停戦とエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の開放で合意したことを受けて、中東情勢が悪化することへの懸念が後退。原油先物相場が急落し、世界的に株価が上昇した。為替市場では「有事のドル買い」を巻き戻す動きが優勢となり、22時過ぎに一時157.89円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。3月20日の安値157.64円や19日の安値157.51円が目先サポートとして働いたほか、米長期金利が低下幅を縮めたことなどが相場を下支えした。
 中東情勢が依然として不安定なこともドル買いを誘った。イランは米国の停戦発表後もイスラエルや湾岸諸国に攻撃を加えた一方、イスラエル軍はレバノンで親イラン組織ヒズボラに対する攻撃を続けていると表明。「イスラエルの『停戦違反』により、ホルムズ海峡を通過する石油タンカーの航行が停止した」との報道も伝わった。2時30分前には158.52円付近まで持ち直した。
 なお、米国とイランの交渉を仲介しているパキスタンのシャリフ首相はSNS上に「停戦合意に違反する戦闘行為が複数地点で報告された」「和平プロセスの精神を損なう」と投稿し、当事国に自制を求めたものの、ネタニヤフ・イスラエル首相は会見で「これは戦争の終わりではない」「停戦合意にヒズボラは含まれない」などと語った。

・ユーロドルは伸び悩み。米国とイランの停戦合意を受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると、22時過ぎに一時1.1722ドルと3月2日以来の高値を付けたが、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。2時30分過ぎには1.1669ドル付近まで下押しした。
 市場では「完全な停戦とホルムズ海峡の通航正常化に期待がかかるものの、火種は多く残ったままだ」との声が聞かれた。

・ユーロ円は一進一退。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。欧米市場では185.00円を挟んだもみ合いの展開が続いた。

・ロンドン株式相場は反発し、3月2日以来の高値で取引を終えた。米国とイランの停戦合意を受けて、投資家心理が改善すると株買いが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。半面、原油先物価格の急落を受けて、BPやシェルなどエネルギー株が売られた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに大幅反発し、3月4日以来の高値となった。米国とイランの停戦合意を受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退すると株買いが広がった。個別ではシーメンス・エナジー(11.94%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(11.83%高)などの上昇が目立ち、ドイツ証券取引所(1.09%安)などを除く35銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は大幅高。米国とイランが停戦で合意し、中東情勢が一段と悪化するとの懸念が後退。原油先物相場が大幅に下げ、インフレへの警戒が緩んだ。

(中村)
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