株式明日の戦略―主力グロース株が上昇をけん引、あすはトヨタの決算に注目

 3日の日経平均は反発。終値は147円高の27741円。米国株は下落したが、下げ要因の一つであったペロシ下院議長の台湾訪問はきのう先んじて消化していたことから上昇スタート。序盤では上げ幅を200円超に広げる場面もあった。27800円台に乗せたところで買いが一巡して大きく値を消したが、持ち直して再び上げ幅を3桁に拡大。開始1時間程度で値動きが落ち着き、その後は27700円近辺でこう着感が強まった。後場に入っても地合いに大きな変化はなく、引けまで小動きが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆9200億円。業種別では精密機器、保険、卸売などが上昇した一方、電気・ガス、不動産、建設などが下落した。1Qが大幅な最終増益となったイリソ電子工業<6908.T>が一時ストップ高となるなど急騰。反面、川崎汽船<9107.T>は1:3の株式分割と配当見通しの実質増額修正を発表したものの、期待値も相応に高かったことから、発表を受けた株価は強い売り反応となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり683/値下がり1074。レーザーテック、エムスリー、日本電産などグロース株の一角が強い上昇。指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGの動きも良かった。決算が好感されたダイキンやJR西日本が大幅高。上方修正と増配を発表したサンリオが2桁の上昇率となって年初来高値を更新した。ほか、営業外収益の計上を発表したSansanや、特許取得に関するリリースのあった窪田製薬が買いを集めた。

 一方、任天堂が決算発表を前に軟調。米長期金利の低下を受けて、三菱UFJなど銀行株には売られるものが多かった。1Q決算が市場の期待に届かなかったSUBARUが後場に崩れて5%を超える下落。1Qが大幅な営業減益となったケーズHDが急落し、同業のビックカメラ、ヤマダHD、エディオンが軒並み安となった。ほか、USS、CTC、NOKなどが決算を材料に大きく値を崩した。

 日経平均は反発。米中の対立は続くとしても、現時点でこれを理由に株式市場が大崩れすることはないということを確認したような1日。きのうの下げも常識的な範囲内にとどまっており、目先は27500円~28000円レベルで強弱感が交錯した状況が続きそうでもある。本日米国では、7月ISM非製造業景気指数や6月製造業受注の発表が予定されている。昨晩の米国株はFRB高官からタカ派的な発言が出てきたことも売り材料となっており、指標に対する米国マーケットの反応が注目される。あす国内ではトヨタが場中に決算を発表予定。先週、デンソーやアイシンなど系列の部品会社が決算発表直後に大きく売られており、期待値はさほど高まっていないと思われる。ただその分、中身が良ければポジティブな反応が強めに出てくる可能性がある。トヨタのチャートは週足では三角持ち合いの様相を呈して煮詰まってきており、早晩大きな動きが出てきそうにも見える。決算が買い材料となり、全体市場に好影響を与える展開に期待したい。

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