株式明日の戦略-伸び悩むも3桁の上昇、雇用指標を受けた米国株の反応に注目

 5日の日経平均は3日続伸。終値は128円高の27120円。米国株が連日で大幅高となったことを受けて、200円超上昇して始まった。開始直後を高値にすぐに値を消したが、萎んでも27000円は割り込まず、プラス圏を保った。1日を通しては27000円から27200円レベルでの一進一退。前場では頭打ち感が強く、戻しては上げ幅を縮めるといった動きが続いたが、それでも27000円より上をキープできたことから、後場は前引けより上で推移する時間が長かった。終値では9月22日以来、8営業日ぶりに27000円を上回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8200億円。業種別では精密機器、繊維、非鉄金属などが上昇した一方、建設、パルプ・紙、食料品などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入ったラクーンホールディングス<3031.T>が大幅高。反面、下方修正を発表した放電精密加工研究所<6469.T>が大幅安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり898/値下がり848。売買代金上位銘柄ではソフトバンクGのほか、キーエンス、信越化学、HOYAなど値がさ株の動きが良かった。月次好調が続いたABCマートが年初来高値を更新。F&LCは9月度の月次はさえなかったが証券会社の投資判断引き上げが好感されて大幅高となった。KeePer技研も証券会社のリポートを手掛かりに大幅高。今期の大幅増益見通しを提示した霞ヶ関キャピタルが買いを集めてストップ高となった。

 一方、東京エレクトロンやトヨタが軟調。任天堂は「スイッチ」販売持ち直し観測を受けて上昇して始まったものの、買いが続かず下落で終えた。原油高が重荷となり、西部HDや京王電鉄など鉄道株が全般売りに押された。業績関連のリリースが売りを誘ったエスプールやバイク王が大幅安となった。

 日経平均は3日続伸。高く始まった後は伸び悩んだが、それでも下げに転じることはなく、27000円も割り込まなかった。直近の安値25621円(9/30)からは1500円以上水準を切り上げている。27200円より上ではテクニカルの節目も多く、この近辺で上昇ピッチが鈍るのは仕方がない。ただ、米国株も連日の大幅高によって3指数がそろって25日線に接近しており、ここから先は上値が重くなる可能性がある。米国株は8月後半にも大きく崩れているが、9月前半の戻りは25日線に阻まれ、その後、厳しい下げに見舞われた。

 本日米国では、9月のADP全米雇用リポートが発表予定。4日には市場予想を下回った8月JOLTS求人件数に米国株が強い買い反応を示しただけに、これに続く雇用指標は注目される。弱めの内容でインフレ懸念が後退するようであれば、7日の米9月雇用統計に対する警戒も和らぐ。逆に強い内容で雇用統計の警戒が高まってしまうようだと、9月同様、米3指数が25日線を超えられずに崩れる展開も想定される。日本株は三連休を控えているため、あすが弱いようだと金曜7日はリスク回避ムードが強まりやすい。今晩の米国株が下げたとしても落ち着いた動きになることを期待したい。
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