週間為替展望(ポンド/加ドル)-市場は英・EU交渉を依然楽観視

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◆ポンド、引き続き英「国内市場法案」をめぐる英・EUの動きに注目
◆英・EU交渉への懸念が強まるも、市場では合意を楽観視する向きが少なくない
◆加ドル、トルドー加首相の財政経済戦略についての演説に注目
(為替情報部・金 星)

予想レンジ
ポンド円 132.00-139.00円
加ドル円 78.00-82.00円

9月21日週の展望
 英・欧州連合(EU)の通商交渉は進展がなく、懸念材料が増えているが、ポンドを大きく売り込む地合いにはなっていない。英・EUの通商協定をめぐる不透明感は増しているが、最終的には英・EU双方にとって大きな打撃になる「合意なき離脱」は回避されると楽観視する見方が少なくない。ただ、「合意なき離脱」が現実のものとなる可能性が高まれば、急速にポンド売りが進むことも考えられる。
 英下院は14日、EU離脱協定の一部を無効化する「国内市場法案」の基本方針について賛成多数で承認した。同法案の審議は続くが、国際法違反だと反発している議員も少なくない。今後、上院でも激しい議論が予想されるが、ジョンソン英首相は「ブレグジット移行期間の後も、英国の領土的一体性と北アイルランドの和平を守り、英国全土の貿易や職を守るため」不可欠だと訴えた。英政府は16日、この法案を行使する前に議会の承認を求めることで法案に反対していた与党議員と合意したと発表した。EU側は同法案の主要部分を9月末までに撤回しなければ年末までに通商合意がまとまることはないとしており、同法案をめぐる英・EUの動きが引き続き注目される。
 8月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.2%と前月の+1.0%から伸びが鈍化し、2015年12月以来の低い伸びとなった。英国ではこれまでの「30人以上を超えて集まることを禁止」から「6人以上集まることが違法」とコロナ対策の規制を強化した。コロナの影響が続く中、「合意なき離脱」となれば、英経済成長の鈍化は一段と深刻になり、イングランド銀行(BOE)は量的緩和(QE)拡大や、マイナス金利導入の可能性が高まる。BOEは今週、金融政策の据え置きを決定したが、マイナス金利の有効性を議論したことが明らかになった。
 来週、加国内では注目の経済指標の発表予定はなく、加ドルは引き続きドルや原油相場に左右されるか。米低金利政策の長期化観測を背景としたドル先安観は根強く、加ドルは下値の堅い動きが予想される。トルドー加首相は23日、今後の財政経済戦略について演説する予定だ。加政府は、世界的な低金利を利用し、中期的に財政拡大を続けるため、財政に対する慎重な姿勢を転換する可能性がある。
 今週発表された8月の加CPIは前年比+0.1%と市場予想を下回ったが、中銀が景気の伸び悩みを判断する際に最も重視するCPI共通値は前月の+1.3%から+1.5%に加速した。最近の加国内の経済指標で雇用者数、新規住宅着工件数、製造業PMIのほか、小売売上高などが良好な結果となり、先行きの景気回復に対する楽観姿勢が強まっている。

9月14日週の回顧
 英「国内市場法案」をめぐる英・EU対立への懸念を受けたポンド売りが一服し、買い戻しが先行するも、BOEが「マイナス金利の有効性」を議論したことが明らかになると売りに転じた。ポンドドルは1.30ドル近辺で買い戻しが一服し、ポンド円は135円割れまで押し戻された。加ドルは引き続き動意が限られ、ドル/加ドルは1.32加ドル、加ドル円は80円を挟んで小幅な上下にとどまった。(了)

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