東京為替見通し=ウイルス感染拡大・米政権移行停滞がドルの上値を抑えるか

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 海外市場でドル円は、欧州時間に一時104.22円と日通し高値を付けたものの、104円台での上値の重さを確認すると次第に弱含んだ。米長期金利の低下に伴うドル売りや、米国株の持ち直しに伴うリスクオンのドル売りも出た。
 ユーロドルは、米国株相場がプラス圏に浮上し、リスクオンのドル売りが次第に強まり、6時過ぎに一時1.1882ドルと日通し高値を更新した。

 本日のドル円は、一昨日の下押しで11月9日のドル急伸の窓を埋めたことや、本邦が3連休を迎えることでレンジ取引になる可能性は高いが、上値は限定されそうだ。
 本来ならばファイザーなどのワクチン開発スピードが上がっていることは米経済をはじめ各国にとってもリスクオンの好材料だが、今週のワクチン開発進展でのドル買いはすぐに上値を抑えられたことで、今後このネタでのドル買いは難しいだろう。
 好材料にも関わらずドルの上値が限られているのは、米国が2つの大きな問題に直面していることだ。1つ目は新型コロナウィルスの感染第2波で、米国でのウイルス感染者、死者、入院患者が急激に伸びている。医療崩壊は深刻で一部の州では自州では病床が満床で、州をまたいで患者が移送されている。トランプ米大統領がこの数週間はウイルスに関しては全くかかわろうとしていないことで、各州自治体が様々な規制を発表している。ウイルス拡大、規制強化による経済の弱体、どちらをとっても米国にはプラス材料でないことで、ワクチンが確実に広まるまでドル売り材料となりそうだ。なお、本日日本時間の早朝に行われた会見でバイデン氏は「地区ごとに状況は違うため、国を挙げてのシャットダウンはない」と明言している。
 そして、2番目の問題はトランプ政権の負のレガシーで、米国の国力の大幅低下だ。昨日もトランプ政権は選挙に対して徹底的に戦うことを発表している。徹底抗戦の影響で政権移行が全ての分野にわたって大幅な遅れになっている。昨日もトランプ氏に採用された米国保健福祉省のトップが、一般調達局(GSA=General Services Administration)が次期大統領を決定するまで何も引継ぎを行わないと述べた。このGSA自体もトランプ氏が指名したマーフィー氏がトップを務め、かねてからトランプ氏への忠誠が高いことで知られている。GSAには大統領の決定に正式な規範がないことで、通常であれば信頼できる報道機関が勝者を認めた後や、敗者(トランプ氏)が負けを認めることで、政権の移行を認めることになっている。よってトランプ氏が敗北を認める可能性が低いことで、米国の混乱は今後も続きそうだ。
 欧州通貨の動きは方向感がつかめない。昨日は欧州連合(EU)関係者のウイルス感染で、EUと英国の交渉も進展がなかった。英タイムズ紙が「EU側は合意なき離脱のコンティンジェンシープランを立てている」と報じたが、時間切れの可能性も徐々に高まってくるか。その場合は短期的にはポンド売りとなるが、来年以後は漁業権で優位に立つ英国が英国水域からEU船籍を追い出し、EU側は英国とEUの法律の違いをつき、英シティの金融部門の麻痺にもつながる報復合戦につながる可能性もあり、ユーロに対してもネガティブな要素になりそうだ。
 なお、経済指標では東京午前には本邦の消費者物価指数(CPI)が発表される。午後には独生産者物価指数(PPI)、英小売売上高などが発表される。また夕方以後はラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁をはじめ欧州各国から要人の講演が相次ぐことで注意したい。

(松井)

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