週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、コロナ感染拡大が重し

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◆ポンド、「合意なきEU離脱」の回避で下方向への警戒感が後退
◆ポンド、英国内でのコロナ感染拡大が重し
◆加ドル、ドル安・原油高で下値の堅い動きか
(為替情報部・金 星)

予想レンジ
ポンド円 135.00-143.00円
加ドル円 79.00-83.00円

月11日週の展望
 英国の欧州連合(EU)離脱問題は、2016年の英国民投票から4年半をかけた離脱プロセスがようやく終了した形となり、ポンドの下方向への警戒感が後退した。ただ、英国内でのコロナ感染拡大が深刻でロックダウン措置が強化され、景気回復の鈍化が懸念されており、ポンドの上値は重いか。
 英国は昨年12月31日をもってEU離脱後の移行期間が終了し、EUの単一市場と関税同盟から抜けてEUから完全に離脱した。今後の英・EUの関係は昨年12月24日に合意した通商協定に基づくものとなる。ただ、欧州議会での批准が終わっていないため、同協定は暫定発効となる。完全離脱により、英国とEU27カ国との間のヒトの自由な移動は制限される。物品の貿易については、通商・協力協定により全品目について関税・割当ゼロが維持された。ただし、原産地規則を満たすことが条件となる上、税関申告が復活する。ジョンソン英首相はEU離脱により、英国は自由を手にしたと強調したが、ブレグジットを巡る政治的・社会的な分断は深く、この先数年続く可能性がある。離脱問題がひとまず決着に向かったことで、市場の視線は深刻なコロナ感染拡大に向けられている。
 英国は5日までに8日連続で1日のコロナ新規感染者数が5万人を上回った。コロナ感染による死者数は7.6万人を上回り、欧州最多となっている。昨年末から強い感染力がある新型コロナの変異種の感染が拡大し、新規の感染者数が増加の一途をたどっている。ジョンソン英首相はコロナ感染拡大を食い止める措置として、イングランド全土を対象に全面的なロックダウン措置を6日から再び導入すると発表した。施行は2月中旬まで続く可能性がある。今回の措置は小中学校の閉鎖や、在宅勤務の要請、外出制限(運動や必需品の買い出し、医療目的を除く)、同居人以外の人との集まりの禁止が含まれる。英景気の回復が遅れるとの懸念が強まり、ポンドは上値が圧迫されよう。
 加ドルは底堅い動きか。今年に入ってもドル安の流れが変わっていないことや、原油相場の堅調な動きが加ドルの下支えとなっている。一方で、コロナの世界的な感染拡大が止まらず、世界経済の先行きが懸念されることが上値圧迫要因となり、加ドルの上値余地は限られそうだ。来週、加国内で注目の経済指標の発表は予定されておらず、ドルや原油相場に左右される動きが続きそうだ。サウジの自主減産によって原油市場には安心感が広がっている。トルドー加首相は、コロナワクチンの接種ペースが遅いことにカナダ全土がいらだっているとし、政府は接種加速を支援すると言明した。

1月4日週の回顧
 ポンドは英国が「合意なきEU離脱」を回避したことが支えとなるも、英国内でのロックダウン措置の強化が重しとなり、上げが一服した。ポンドドルは2年8カ月ぶりの高値1.37ドル近辺から1.35ドル前半に押し戻され、ポンド円は141円前半で上値を抑えられた。年明けもドル安の流れが続く中、NY原油先物が10カ月ぶりの50ドル台を回復したことが加ドルの支えとなり、ドル/加ドルは1.26加ドル前半、加ドル円は81円後半まで加ドル高に振れた。(了)

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