東京為替見通し=米金利への反応はアジア時間限定か、円買い・円売り材料が拮抗

印刷
【訂正:本文ドル円の大台を訂正します】

 海外市場でドル円は、欧州序盤からのドル安の流れを受けて円買い・ドル売りが先行し109.25円と日通し安値を付けた。しかし、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て一時109.46円付近まで下げ幅を縮めた。

 ユーロドルは、日本時間夕刻に一時1.1871ドルと日通し安値を付けたものの、2月ユーロ圏小売売上高が予想を上回ったこともユーロ買いを促し1.1919ドルまで上昇した。

 本日の東京時間のドル円は引き続き109円台でのレンジ取引となるか。昨日も取引材料に欠けるアジア時間こそは、米金利の上下に連れることが多かったが、欧米時間に入ると米金利への反応は限られたものになった。例をあげると昨日東京時間に時間外の米10年債利回りが1.67%台まで上昇して始まると、ドル円は109.70円台まで上がった。しかし、欧州時間に1.64%まで低下していた米10年債利回りが1.68%まで上昇したのにもかかわらず、ドル円の反応はわずかで、109円前半から上値を追いかける展開にはならなかった。油断はできないものの、当面は米金利よりもフローが占める相場が続くのかもしれない。

 本日のドル売り要因としては、まずは海外情勢をあげておきたい。G7の外相は昨日、ウクライナ国境付近などでロシアが軍を増強していることに対して懸念を表明している。中国をめぐる情勢を含め、中露をめぐる西側諸国の緊張の高まりが、円やスイスイフランなどの避難通貨への資金シフトを進めるかもしれない。特にここ最近は米国の経済再開よりも、財政問題について懸念を抱えている投資家が増えていることが円買い・ドル売りを促すとみる向きもある。
 また、アルケゴスに絡む銀行の損失問題も尾を引きそうだ。

 一方でドル買い要因としては、日米間の経済格差が広がる一方なことだ。ワクチンの普及率が日本同様に低い豪ニューサウスウェールズ州首相は昨日、「ワクチン接種の遅れは豪州が取り残されることを意味している」「他国が(経済)再開をしている中で、豪州が取り残される恐れがある」と発言した。豪州よりもウイルスの感染拡大が深刻で、ワクチン競争の負け国の日本は経済回復が大幅に遅れ、円を積極的に買うことも難しいだろう。

 本日の経済指標では、アジア時間には中国の貿易収支が発表されるが、トランプ時代とは違い現在の米中間の争いは、通商面よりも人権問題などを焦点にしていることもあり、貿易収支での反応は限られるか。欧州入り後には2月英国内総生産(GDP)、4月独ZEW景況感指数ほか複数の注目指標の発表があり、NY入り後には3月米消費者物価指数(CPI)も発表されることで、経済指標にも本日は注目を怠らないようにしておきたい。

 欧州通貨は上述の経済指標や、昨日も乱高下したユーロポンドの値動きが市場を動かす要因となるだろう。ユーロドルの両サイドのレンジ外側には順張りのオーダーも控えていることで、レンジを抜けだすのが難しくはなっているが、独のロックダウン再開観測、ロシアを含め政治的な動きで急に動く可能性もあることには警戒しておきたい。

(松井)

関連ニュース

最新ニュース

ニュース一覧を見る ≫
アクセスランキング
FX攻略.com
ご意見BOX ×
当ウェブサービスの問題点や提供してほしい情報など、トレーダーズウェブFXへのご意見・ご要望を、お気軽にお寄せください。
年齢 ※半角数字
性別 男性  女性
ご意見・ご要望 ※250文字以内
※ご意見BOXでは「ご質問」や「問い合わせ」には対応しておりません。御用のお客様は「お問い合わせ」フォームをご利用ください。
トップ