週間為替展望(ドル/ユーロ)-ユーロ、ECB理事会の緩和策強化に要警戒

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◆ドル円は、日米首脳会談を受けての極東の地政学リスク回避警戒で伸び悩む展開か
◆日本の3月対米貿易黒字や米20年債の入札状況にも要注目
◆ユーロドルは、ECB理事会での追加緩和策への警戒感から軟調推移か
(為替情報部・山下政比呂)

予想レンジ
ドル円 106.00-110.00円
ユーロドル 1.1600-1.2100ドル

4月19日週の展望
 ドル円は伸び悩む展開か。日米首脳会談では、日米豪印戦略対話や日米安全保障協議委員会での対中強硬スタンスが再確認され、台湾防衛協力強化が打ち出される可能性が高く、極東の地政学リスク回避で円買いへの警戒感が高まるか。中国とは、日米同盟による対中強硬姿勢、福嶋原発の処理水の海洋放出決定、ウイグル綿の取引停止などを巡り、対立関係が激化しつつあることで、中国による対日輸出の削減や日本製品の不買運動など、経済安全保障への警戒感が高まりつつある。
 米国の2021会計年度上半期(20年10月~21年3月)財政赤字は、1兆7062.45億ドルと上半期での過去最大を記録した。今年度は、バイデン米政権の米国救済計画(America Rescue Plan:1.9兆ドル規模)や米国雇用計画(American Jobs Plan:2.26兆ドル規模)により、昨年度の3兆1319億ドルの過去最大の財政赤字を上回る可能性が高まっている。大規模財政支出の財源としては、2.5兆ドル規模の増税が表明されたが、米国債増発にも依存する場合、20年債の入札にも要注目となる。米国債による資金調達を非居住者による米国債投資に依存する場合、投資を誘引するためには、ドル安誘導の可能性が高まることになる。さらに、史上最大規模に拡大している米国の双子の赤字により、米国債の格下げ懸念も高まっており、7月末に債務上限適用停止期限を迎えることから、2011年8月の米国債格下げショックの可能性にも要警戒か。
 米国の経済指標では、3月中古住宅販売、新築住宅販売、景気先行指数は、バイデン政権の1.9兆ドル規模の米国救済計画による景況感改善を確認することになる。日本の経済指標では、バイデン政権による日米貿易不均衡是正の圧力はないものの、3月の対米貿易黒字に要注目か。
 ユーロドルは軟調推移か。3月の欧州中央銀行(ECB)理事会では債券利回り上昇を抑制するため、パンデミック緊急購入プログラムの下での債券購入を加速させる方針を示したが、22日のECB理事会でも期限が延長される可能性が高まっていることから、ユーロの上値は限定的か。また、北アイルランドやワクチン供給を巡る欧州連合(EU)と英国の対立、新型コロナウイルス変異株の感染拡大などがユーロ売り要因となっている。ドイツやフランスのロックダウンや、財政再建を巡るドラギ政権内の対立によるイタリアの解散総選挙リスクにも要警戒となる。ユーロ圏4月製造業・サービス業PMI速報値のネガティブサプライズにも要警戒。

4月12日週の回顧
 ドル円は、米10年債利回りの低下を受けて109.77円から108.67円まで下落した。パウエルFRB議長が、利上げを検討する前に債券購入のテーパリング(段階的縮小)を行う可能性が高いとの見解を示したことから、米10年債利回りは1.70%台から1.59%台まで低下した。ユーロドルは、欧州連合(EU)が、欧州復興基金の資金調達として5年間で8060億ユーロの債券を発行すると発表したことから、1.1871ドルから1.1993ドルまで上昇した。ユーロ円は、129.80円から130.58円まで上昇した。(了)

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