週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、恒大集団リスクが重しに

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◆中国恒大集団リスクは一時的回避も、リスクは残り豪ドルの重しに
◆RBAのハト派姿勢も豪ドルの上値を抑えるか
◆ZAR、軟調なコモディティ価格やスタグフレーションの可能性が上値を抑える

予想レンジ
豪ドル円 77.00-82.00円
南ア・ランド円 7.10-7.70円

9月27日週の展望
 豪ドルの上値は限られるか。今週同様に豪ドルは国外要因で動く可能性が高い。中国の不動産開発大手・恒大集団の利払い問題が、中国版リーマンショック(ジョージ・ソロス談)と称されるように大きなリスクとなっている。中国当局が「ドル建て債券で目先のデフォルトを回避するように指示」との報道もあり、一時的にリスクは回避された形にはなっている。しかしリーマンショックも、サブプライムローン等の問題が表面化し2007年のパリバショックからリーマン破綻まで1年以上を要した。今回も楽観論が流れているが、問題が解決されたとみなすのは早計か。

また、仮に一時的にリスクが回避された場合でも、中国での不動産ブームが落ち着く可能性が高い。中国の住宅建設に使用する鉄鉱石の約3分の1が豪州から輸出されていることで、不動産不況などに陥った場合は豪州経済への影響は甚大だ。この半年で鉄鉱石価格が急落し、すでに豪州のGDPへ影響を与えている。一部では鉄鉱石価格が10ドル下落すると、豪州の名目GDPが65億豪ドル下がり、13億豪ドルの税収減になるというデータもある。習中国国家主席が「マンションは住むものであって投機するものではない」と述べ、当局の不動産への引き締め政策は今後も緩めないと予想されていることも、上値の抑制要因となりそうだ。

 今週の豪準備銀行(RBA)議事要旨で「中心的なシナリオでは2024年まで利上げの条件は満たされないだろう」と記されているように、デルタ株を中心としたウイルスの感染拡大で豪州経済が停滞を余儀なくされる可能性が高まっていることも、豪ドルの重しになりそうだ。なお、来週は経済指標では28日に8月小売売上高、30日に住宅建設許可件数が注目される。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も上値は限られるか。中国恒大集団のデフォルトが避けられた場合でも、中国経済の停滞を予測する声も多く、コモディティ価格がこれまでのように大きく上げトレンドに戻るのは難しそうだ。また、南ア準備銀行(SARB)の金融政策の舵取りが難しくなっていることもZARも重し。今週発表された消費者物価指数(CPI)が4カ月連続でSARBの目標中心値を上回り、インフレ懸念が燻っている。しかしながら、失業率が過去最高、小売売上高が低迷していることで利上げをするのも難しく、スタグフレーションに陥る可能性もある。なお、来週は南アからは30日に8月の生産者物価指数(PPI)と貿易収支が発表される。

9月20日週の回顧
 豪ドルは荒い値動きとなった。中国の不動産開発大手・恒大集団のデフォルト懸念で週初に香港株やコモディティ価格が暴落したことがきっかけとなり、弱含んで始まった。しかしながら、デフォルト懸念が一時的に回避されたことで一転して買い戻された。ZARも乱高下した。週初はコモディティ価格の下落とともに大きく売られた。しかし、デフォルト懸念が減少すると買い戻しも大きくなった。なお、SARBは市場予想通りに政策金利を据え置いた。また、SARBは今年の成長率を上方修正したが、22年は下方修正している。(了)

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