東京為替見通し=ドル円は米金利上昇で底堅い、恒大リスクと独総選挙に要注目

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 海外市場でドル円は、米長期金利の上昇に110.79円まで上昇した。8月米新築住宅販売件数が74.0万件と予想の71.5万件を上回ったことも相場の支援材料。
 ユーロドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て一時1.1701ドルと日通し安値を更新した。

 本日の東京時間のドル円は米金利が上昇していることもあり、緩やかな動きながらも底堅さを維持すると思われる。もっとも、恒大問題に対していまだに中国政府が沈黙を貫いていることもあり、今後の中国政府の動向次第で市場が大きく動く可能性も高い。23日が期限だったドル建て債利払いについては、猶予期間が30日間あることで早急に結論が出るかは不明だ。ただし、一部では今週末10月1日の国慶節前に、中国政府が恒大問題で何らかの決断を下すとの観測もある。今週も引き続き恒大問題からは目が離せないだろう。

 先週の値動きを見ても、ドル円を見ると米金利の上昇でドル高・円売りとなっているが、コモディティ通貨(豪ドルや南アランド)は円買いが進んでいる。仮に恒大のデフォルト(債務不履行)が避けられた場合でも、中国でこれまでのような不動産投資熱が醒めることによりバブルの崩壊するリスクが高い。中国不動産の行き詰まりは、中国への鉄鉱石の約3分の1が豪州産であることもあり、豪州経済には大きな痛手となる。この半年で鉄鉱石価格が急落し、すでに豪州のGDPへ影響を与えている。一部では鉄鉱石価格が10ドル下落すると、豪州の名目GDPが65億豪ドル下がり、13億豪ドルの税収減になるというデータもある。現時点ではリーマン危機のように全体的な金融機関に飛び火することは少ないとされているが、今後は様々な国にも影響を及ぼす可能性が高いことで、恒大リスクを軽視するのは危険だろう。

 本日は、アジア時間は市場を動意づける経済指標の発表予定は少ない。しかしながら、独米の政治的な動きには注意を怠らないようにしたい。昨日、独の議会選挙が行われ、世論調査の支持率調査をリードしてきた中道左派・社会民主党(SPD)とメルケル首相が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が大接戦を繰り広げている。現在はCDU/CSUとSPDの大連立政権となっているが、勝者が決まらない限りはどの政党間での連立が組まれるかが未知数だ。独では政党により色分けがされているが、上述のSPDは「赤」、CDU/CSUは「黒」、緑の党は「緑」、自由民主党は「黄」に分かれている。SPDが勝利を収めると、今まで政権を取っていた黒との連立を組むことを選択せず、ケニア連合(ケニアの国旗=黒と赤、緑)の実現はないのではないかとの声が多い。なお、連立が決定するのは非常に時間を要することが多く、第4次メルケル独首相政権は選挙が行われたのが2017年9月24日だったが、連立が樹立されたのが2018年3月14日と半年弱も時間を要している。

 また、米国では25日の土曜日に、下院予算委員会は3.5兆ドルの支出法案を委員会から通過させた。超党派のインフラ法案は本日(27日)に投票される予定であり、この法案の採決に注目が集まる。

 なお、欧米時間にはラガルドECB総裁、エバンス米シカゴ連銀総裁、ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブレイナードFRB理事ほか多くの要人の講演が予定されている。

(松井)

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