東京為替見通し=ドル円は上値が重い、ファンドもドル売りに一部転換か

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 海外市場でドル円は、高く始まった米国株相場が下げに転じたこともリスク回避の円買いを促し、一時114.00円と昨年12月22日以来の安値を付けた。ユーロドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1482ドルと約2カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後は伸び悩んだ。

 本日の東京時間のドル円は、上値が限られるか。昨日の東京時間では年初高値からドル円が約2円のドル安になったことで、多くの市場参加者が「絶好の買い場」という論調に傾いていた。今後の日米間のインフレや政策金利動向の予測を考えると、ドル円の買いに傾く傾向は避けられないだろうが、明らかに昨年末から年初にかけては、根拠のない熱狂に巻き込まれていた様相が強かった。

 昨日は、多くの米連邦準備理事会(FRB)関係者が今年に3回以上の利上げの可能性を示唆しただけでなく、ハト派の代表格であるブレイナードFRB理事(FRB副議長候補)も利上げに対して前向きな発言をした。それにもかかわらず、市場がほぼ反応をしなかったことを考えると、当面は米金利上昇による今までのイケイケ相場は休止になるのではないかと思われる。

 また、ドルの上値を抑えているのは、昨年12月にドルロングの持ち高がピークとなり、ドルを売り、新興国株などへの投資に傾けているファンドマネージャーが増加しているからとの話も出ている。市場は円やユーロなどの主要通貨に目が向きがちだが、例えば南ア株式市場は(昨日はわずかに下がったものの)ここ最近は堅調な動きをみせ、通貨・ランドも底堅く推移している。この流れが継続すると、当面ドル円も再び買い基調に戻るのは難しいか。

 本日のアジア時間では、12月の中国貿易収支が発表されることで、指標結果によって中国株式市場が反応をした場合には、間接的にドル円市場にも影響を与えるだろう。しかし、昨日のアジア時間の極端に狭いレンジ取引を見ていると、本格的な動きを見せるのは欧米時間になりそうだ。

 地政学リスクで今週はほぼ動意づいていないが、依然として軽視するのは危険だろう。今週に入りウクライナ問題について3回の外交交渉が行われたが、いずれも会談は行き詰まり、平行線のままに終了している。昨日行われた米露や欧州諸国が加盟する全欧安保協力機構(OSCE)での協議後に、OSCEのロシア常駐代表であるルカシェビッチ氏は「会談は失望であり、より実質的で詳細な議論を期待している」と語った。OSCEの議長であるポーランドのラウ外相は、会談で進展がないことを確認し、ヨーロッパでの戦争のリスクは「過去30年間でかつてないほど大きくなっている」と述べている。依然としてウクライナをめぐる地政学リスクには要警戒となる。

(松井)

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