週間為替展望(ドル/ユーロ)-日本の4月CPIやウクライナ情勢に注目

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◆ドル円、ウクライナ情勢を注視しつつ、日本の4月コア消費者物価指数に注目
◆日本の1~3月期実質GDP速報値や米中4月の小売売上高・鉱工業生産にも要注目
◆ユーロドル、エネルギー危機や地政学リスクの高まりに要警戒

予想レンジ
ドル円   126.50-131.50円
ユーロドル 1.0000-1.0500ドル 

5月16日週の展望
 ドル円は、世界的な株安、商品安、暗号資産(仮想通貨)安によるリスク回避地合いで軟調推移が予想されるものの、日米の金融政策の乖離や日米10年債利回り格差の拡大観測により下値は限定的か。米連邦準備理事会(FRB)は中立金利2.4%以上までの利上げやバランスシートの縮小による金融政策正常化路線に踏み出している一方、日本銀行は大規模金融緩和政策の継続と毎営業日ごとの指値オペ運用を打ち出しており、ドル高・円安トレンドは継続すると予想する。

 20日に発表される日本の4月コア消費者物価指数は、携帯電話料金引き下げのベース効果が剥落することから、前年同月比+2.0%と予想されており、日銀のインフレ目標2%に到達することが見込まれている。黒田日銀総裁は、「エネルギ-価格高騰による物価上昇は、景気を後退させるおそれがあり、金融を引き締めるのは適切ではない」として、金融緩和を続ける方針を強調している。岸田政権は、7月の参議院選挙に向けて物価抑制策を打ち出しているが、輸入物価を押し上げている円安の要因となっている日銀の緩和策への牽制発言などに警戒したい。
 
 また、18日に発表される日本の1~3月期実質GDP速報値は、新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置などで個人消費が落ち込んだことで、前期比▲0.5%、前期比年率▲1.8%と、2021年7~9月期以来、2四半期ぶりのマイナス成長が予想されている。

 外部要因としては、中国の4月小売売上高や鉱工業生産に注意したい。コロナ対策でのロックダウンを受けて、悪化が予想されている。しかしながら、バイデン米大統領がインフレ抑制に向けてトランプ前政権が導入した輸入関税率の引き下げを検討している模様。引き下げられた場合は、中国の景況感悪化を緩和する可能性が高まることになる。さらに、米国の小売売上高や鉱工業生産にもプラスとなるだろう。インフレ抑制策としての輸入関税率の引き下げには注目している。

 ウクライナ情勢では、プーチン露大統領が9日の対独戦勝記念日にウクライナに対し宣戦布告はしなかったが、戦術核使用の可能性は依然残る。リスク回避要因となることから要警戒となる。

 ユーロドルは軟調推移か。ロシアが天然ガスの供給を停止し、欧州連合(EU)もロシア産原油の禁輸を検討していることで、欧州でのエネルギー危機への警戒感が高まっている。さらに、フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟に動いていることも、地政学リスクを高めている。一方、ラガルドECB総裁が7月の利上げ開始を主張していることは買い材料となる。

5月9日週の回顧
 ドル円は、FRBの金融政策正常化路線を受けて131.35円まで上昇後、米10年債利回りが3.20%台から2.81%台まで低下したことで、127.52円まで反落。その後、週末にかけて129円台まで下値を切り上げた。ユーロドルは、ECBの早期利上げ観測を背景に1.0593ドルまで上昇後、欧州圏のエネルギー危機懸念、フィンランドの大統領と首相がNATO加盟を支持したことによる地政学リスクなどで1.0354ドルまで下落した。ユーロ円は138.32円から132.66円まで下落した。(了)

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