週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、英5月PMIに注目

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◆ポンド、BOEが成長リスクへの警戒感を強めており5月PMIに注目
◆ポンド、英政府のEU離脱協定変更の動きにも注意
◆加ドル、BOC政策会合を控え底堅い動きか

予想レンジ
ポンド円 156.000-162.00円
加ドル円 98.00-102.00円

5月23日週の展望
 イングランド銀行(英中銀、BOE)が6月会合で0.25%の追加利上げを決定することが織り込まれているが、BOEはインフレ見通しを引き上げた一方で経済成長見通しを下方修正した。経済成長に対するリスクへの警戒感を強めており、金融政策見通しに対する不透明感が増している。景気鈍化への警戒感がポンドの上値を圧迫しているなか、来週は5月の英製造業・サービス部門PMIの発表に注目。家計の圧迫が一段と深刻になれば、BOEの政策判断にも綱渡りが迫られる。国際通貨基金(IMF)は23年の英GDP成長率を+1.2%と、主要7カ国で最も低い伸びを予測している。

 英1-3月失業率は3.7%と約48年ぶりの低水準を記録した一方で、インフレ調整後の実質賃金(ボーナスを除く)は前年比-2.0%と2013年以来の大幅な落ち込みとなった。また、4月の消費者物価指数(CPI)は前年比+9.0%と約40年ぶりの高水準を記録した。BOEの金融政策引き締めと生活費急騰でリセッション(景気後退)の瀬戸際にあり、英国は世界的なスタグフレーションの震源地となりつつあるとの見方も出ている。BOEが景気減速のなかで金融政策の引き締めに迫られていることが、ポンドの上値圧迫要因となっている。また、「北アイルランド議定書」をめぐる英・EU(欧州連合)の交渉にも留意したい。トラス英外相は今週、北アイルランドの通商規則について「EUと交渉を進めるのと並行して、離脱合意に優先する法案を進行させる予定だ」と説明した。英政府はEUと締結している離脱合意の一部を覆す法律を数週間以内に導入する計画だと伝わっており、この計画が進めばEUの反発は必至。対立の深まりを背景にポンドに売り圧力が強まる可能性がある。

 加ドルは6月1日にカナダ中銀(BOC)の金融政策会合を控え、底堅い動きが続くか。市場ではBOCが6月会合で再び0.5%の利上げに踏み切り、政策金利を年末には3%前後まで切り上げると見込まれている。今週発表された加4月CPIは前年比+6.8%と3月から伸びが加速し、1991年1月以来の高い伸びを記録した。ウクライナの厳しい情勢が続いているなかでも、産油国のカナダは原油高も支えに落ち着いた景気の回復が進んでいる。CPIは5月に一段と上昇が加速すると見込まれ、BOCは想定よりも迅速な金融引き締めを迫られる可能性がある。原油相場の堅調な動きも引き続き加ドルの下支えとなっているが、足もとでは世界的なスタグフレーション危機への懸念も高まりつつあり、リスクオフの動きが加ドルの上値を圧迫する要因となる。

5月16日週の回顧
 今週は相場全体に大きな方向感は出ず、株価や米長期金利の動向を睨みながら上下した。ポンドは英失業率の強い結果を受けて一時買いが強まったものの、ポンドドルは1.25ドル前半で上値が抑えられ、ポンド円は161円後半を戻り高値に157円後半まで押し戻された。

 加ドルは原油高も支えに底堅い動きも値動きは限定的。ドル/加ドルは1.28加ドル割れ水準で加ドル買いが一服し、加ドル円はリスクオフの円買い圧力が強いなか101円前半を頭に99円前半まで失速した。(了)

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