NY為替見通し=ドル円、FRB議長発言のハト派寄りに警戒

 昨日の米長期金利の低下でドルの上値が重いなか、「3月の日銀金融政策決定会合で一部出席者がマイナス金利の解除が妥当と意見を表明する見通し」との一部報道を受けてドル円は一時149.33円まで弱含んだが、149円後半に持ち直した。

 ただ、3月か4月会合で日銀が「マイナス金利の解除」に踏み切ると市場は織り込んでおり、「マイナス金利の解除」した後の利上げ期待が高まらない限り、円高地合いは強まりにくい。ドル円は引き続き149円台で押し目買い意欲の強さを示しているが、気がかりはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言だ。同議長が根強いインフレ圧力を最新の指標が示す中で利下げを急いでいないとのメッセージをあらためて強調すると見込まれている。そうなると、ドル売りは強まらずドル円は最近の149-150円台レンジが続きそうだ。警戒されるのは、すでに利上げによるインフレ抑制効果が見え始めていることから同総裁の発言がハト派寄りに転じることだ。同総裁からハト派寄りの発言が聞かれたら、ドル円は2月13日から続いた149円前半-150円後半のレンジを下方向にシフトさせる可能性がある。

 本日はパウエルFRB議長の議会証言のほかにも、今週末に米雇用統計を控えるなか2月ADP雇用統計や1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数などの注目指標の発表が控えている。今年に入って再び上昇基調に転じた米10年債利回りは2月22・23日に4.34%後半まで上昇したが、昨日は4.10%近辺まで低下した。昨年11月30日の高い水準(4.3670%)を超えることができないと、ドル円の151円近辺での壁は引き続き厚いと想定される。

・想定レンジ上限
 ドル円は2月13日の高値150.89円や昨年11月16日の高値151.43円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は2月29日の安値149.21円や日足一目均衡表・基準線148.40円が下値めど。

(金)
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