週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、本邦CPIや円買い介入に注目

◆ドル円、地区連銀経済報告や本邦円買い介入に注目
◆中東の地政学リスクや本邦3月コア消費者物価指数に注意
◆ユーロドル、ユーロ圏2月鉱工業生産や独4月ZEW景況指数を見極め

予想レンジ
ドル円   150.00-155.00円
ユーロドル 1.0400-1.0900ドル

4月15日週の展望
 ドル円は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性や中東の地政学リスクの高まりに警戒しつつ、日本の3月消費者物価指数(CPI)を見極める展開となる。

 米国の3月雇用統計や3月CPIを受けて、米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ開始時期が先送りされるとの思惑が高まるなか、直近では、ドット・プロット(金利予測分布図)が示唆する年内3回の利下げに対して、市場では9月FOMCからの年内1回の利下げがメインシナリオとなりつつある。地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米国の雇用情勢、物価情勢、景況感を見極めることで、利下げの開始時期や年内の利下げの回数などを探ることになるだろう。

 また、日本の3月コアCPIの予想は前年比2.7%と、2月の2.8%からの伸び率鈍化が見込まれており、予想通りならば緩和的な金融政策の継続観測から円安要因となる。ただ、25-26日の日銀金融政策決定会合では、「好調な今年の賃上げなどを受け、2024年度の物価見通しの上方修正を議論する公算が大きい」と関係筋が言及しており、関連のヘッドラインには警戒しておきたい。植田日銀総裁は、「為替相場の動向が賃金・物価に無視できない影響を与えそうであれば金融政策として対応する理由になる」と述べており、原油価格上昇と円安による「第1の力」が再浮上した場合への対応策には注目だろう。

 更に、イランとイスラエルによる直接対決への懸念は中東の地政学リスクを高めており、リスク回避のドル売り・円買い要因となるものの、第5次中東戦争に拡大した場合は、原油価格の高騰が円安圧力を高めることにもなる。複雑な反応となりそうだ。なお、3月の日本の貿易収支速報では、実需の円売り圧力を確認することになる。

 ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利が据え置かれたものの、声明では「インフレが2%に向かうと確信すれば利下げの可能性」に言及。ラガルドECB総裁も「インフレ率は上下に振れた後、目標に向けて低下へ」とハト派的な見解を述べたことから軟調な推移となりそうだ。2月ユーロ圏鉱工業生産や4月の独ZEW景況指数では、リセッション(景気後退)入りの警戒感が高まっているユーロ圏やドイツの景況感を見極めることになる。

4月8日週の回顧
 ドル円は、3月米CPIが前月比0.4%、前年比3.5%と予想を上回ったことで153.39円まで上昇し、1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。米10年、30年債入札が不調に終わり、米10年債利回りが4.5886%まで上昇したこともドル買いに拍車をかけた。ユーロドルは、ECB理事会が利下げの可能性に言及したこともあり、1.0885ドルから1.0675ドルまで下落。ユーロ円は165.17円から163.62円まで下落した。(了)
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