NY為替見通し=ドル円、8月米雇用統計のサプライズに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、9月19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの有無を左右する米8月雇用統計、そして8月米ISM製造業景気指数を見極めつつ、引き続き本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 米8月雇用統計の予想は、失業率が3.5%で7月の+3.5%と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人で、7月の同比+18.7万人からの増加幅の減少が見込まれている。また、平均時給の予想は前月比+0.3%で、7月の同比+0.4%から低下、前年比は+4.4%で、7月の同比+4.4%と変わらずと見込まれている。

 先日、米労働統計局が発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、3月までの1年間の雇用者増は30万6000人下方修正されることが示唆された。ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、「起業・廃業モデル(Birth-Death Model)」の不透明性を理由にして、「労働市場のフェイク?NFPは雇用の伸びを過大評価か」という記事を配信しており、非農業部門雇用者数への懐疑的な見方が示されていた。、
 そのため、リスクシナリオは、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 一方で、ポジティブサプライズの場合は、ドル買いとなるが、昨年10月21日(金曜日)の東京時間23時過ぎのニューヨーク市場での151円台で断行されたドル売り・円買い介入の再現の可能性には警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、8月29日の高値の147.37円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、8月23日の安値の144.54円。


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。