東京為替見通し=ドル円、19-20日のFOMC控えた3連休前で動きづらい展開か

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米小売売上高や8月米卸売物価指数(PPI)、前週分の米新規失業保険申請件数などの米経済指標が軒並み予想より強い内容だったことで147.56円まで上昇した。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利が4.50%に引き上げられたものの、利上げサイクル終了との見方が広がり、1.0632ドルまで下落した。ポンドドルも、英中銀(BOE)による追加利上げ観測が後退したことで、1.2397ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、来週19-20日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた3連休前となるため動きづらい展開が予想される。

 昨日のユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)のハト派的利上げを受けて1.06ドル台前半まで下落し、ポンドドルもイングランド銀行の利上げ継続観測が後退していることなどで、1.23ドル台後半まで下落している。ドルは全面高の様相を呈し始めているものの、ドル円が依然として148円の壁の前で足踏みをしているのは、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感があるのかもしれない。

 ドル円のトレンド系のテクニカル指標(順張り指標)では、依然として上昇基調が示唆されているが、オシレーター系指標(逆張り指標)は、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)による反落が示唆され、サイクル系指標も、日柄的に反落を示唆している。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、来週19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、約97%程度の確率で金利据え置きを示唆している。そして、利下げ開始は、2024年6月FOMCからだと示唆している。また、米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、10日付の記事で、「FRBは利上げに慎重になりつつある」との見解を示している。

 一部の市場筋の見立てでは、来週のFOMCでは据え置きだが、11月と12月のどちらかに0.25%の利上げが決定され、ドット・プロット(金利予測分布図)が示唆していた年末のFF金利誘導目標5.50-75%に到達するという「タカ派的据え置き」が予想されている。

 11時に発表される8月の中国の鉱工業生産や小売売上高では、中国の景況感悪化への警戒感が高まっていることで、ネガティブサプライズだった場合は、リスク回避地合いとなるため警戒しておきたい。小売売上高の予想は、前年比+3.0%で、7月の同比+2.5%から改善、鉱工業生産の予想は、同比+3.9%で、7月の同比+3.7%からの改善が見込まれている。
 中国人民銀行は、昨日、個人消費の弱い伸びや投資の減少など低迷する景気を支えるため、今年2回目となる預金準備率の引き下げを発表している。


(山下)
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