NYマーケットダイジェスト・14日 ダウ最高値・金利低下・ユーロ高・ドル安

(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=141.89円(前営業日比▲1.00円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.00円(△0.62円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0993ドル(△0.0119ドル)
ダウ工業株30種平均:37248.35ドル(△158.11ドル)
ナスダック総合株価指数:14761.56(△27.60)
10年物米国債利回り:3.91%(▲0.11%)
WTI原油先物1月限:1バレル=71.58ドル(△2.11ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2044.9ドル(△47.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>    <前回発表値>
11月米小売売上高
前月比                0.3%     ▲0.2%・改
自動車を除く前月比          0.2%      0.0%・改
前週分の米新規失業保険申請件数   20.2万件    22.1万件・改
11月米輸入物価指数(前月比)    ▲0.4%     ▲0.6%・改
10月米企業在庫(前月比)       ▲0.1%     0.2%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続伸。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「金利水準は十分に長い期間維持される必要がある」「インフレは短期的には一時上昇する可能性がある」と指摘した。
 また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「経済成長へのリスクは依然下方向に傾いている」としながらも、「絶対に警戒を引き下げるべきではない」「利下げについては全く議論しなかった」などと発言した。
 ECBが利下げの可能性を示唆せず、逆に物価上昇圧力は依然として強いと主張したことで全般ユーロ買いが広がると、3時前に一時1.1009ドルと11月29日以来の高値を付けた。なお、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げについて議論をした」と認めていた。

・ドル円は3日続落。アジア時間に一時140.97円と7月31日以来の安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。11月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると一時142.28円付近まで持ち直した。
 ただ、米利下げ観測が高まる中、米10年債利回りが一時3.8835%前後と7月27日以来の低水準を付けると、141.40円付近まで押し戻される場面があった。

・ユーロ円は3日ぶりに反発。ECBが早期に利下げに動くとの期待が後退すると全般ユーロ買いが優勢となり一時156.06円と本日高値を付けた。
 なお、事情に詳しい関係者の話として「ECB当局者は利下げは市場の見込みよりも遅くなるとの見解でほぼ一致した」と伝わった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、史上最高値を更新した。12-13日のFOMCを受けて利下げ観測が高まる中、この日も買いが続いた。11月米小売売上高が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり、株買いを誘った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、昨年1月以来の高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も昨年1月以来の高値を更新した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。12-13日のFOMCを受けて来年の利下げ観測が高まる中、この日も買いが続いた。利回りは一時3.8835%前後と7月27日以来の低水準を付けた。

・原油先物相場は続伸。国際エネルギー機関(EIA)が公表した月報で2024年の世界石油需要を引き上げたことで需給ひっ迫懸念が意識され、買いが優勢となった。外国為替市場でのドル安も相場を支えた。

・金先物相場は続伸。FOMCの結果公表を受けて来年の米利下げ観測が一段と高まり、ドルが全面安となったため、ドル建てで取引される金の割安感が意識され買いが活発化した。


(中村)
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