株式明日の戦略-1勝2敗でも週間ではプラス、来週は個別物色が盛り上がる

 2日の日経平均は続落。終値は37円安の38236円。

 日経平均は小幅安。注目のFOMCでは、パウエルFRB議長が会見で先の利上げを否定した。米国株の反応は案外であったが、このことは当面のグローバル株式市場を見る上での安心材料となる。米国では年内3回の利下げの可能性が低下したとたんに、「年内は利下げなし」、「それどころか次は利上げ」といった論調が出てきて、マーケットが混乱した。利上げの可能性が低下するのであれば、米10年債利回りが高止まりしたとしても5%に乗せるような動きにはなりづらい。この先、グロース株の動きが良くなってくるかどうかに注目しておきたい。


【来週の見通し】
 堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。国内は決算発表が目白押し。トヨタ、任天堂、川崎汽船など注目度の高い企業の発表が多く、中身を消化するのは翌週となるが、金曜10日には東京エレクトロンの発表が予定されている。米国では決算発表が終盤戦に入り、長期金利を刺激しそうな指標の発表は少ない。FOMCを通過したことで、日本株は良くも悪くも外部環境には鈍感となり、個別物色の活況が続くだろう。日経平均は4月中旬以降は戻り基調が続いており、TOPIXは今週に入って25日線を上回った。下振れに対する警戒が和らぐ中、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。

【今週を振り返る】
 堅調となった。月曜と金曜が休場で立ち合いは3日。休場の間の米国株が強かったことから、日経平均は3連休明けの4月30日に400円を超える大幅上昇。29日に為替介入が意識されるレベルでドル円が派手に動いたが、これにより為替の投機的な売買が抑制されるとの見方が強まったことも株買いを後押しした。FOMCの結果発表を前に米国株が警戒売りに押されたことから、5月1日は3桁の下落。2日は米国株の失速や不安定なドル円の動きを警戒して大幅安スタートとなったが、FOMCを通過して米長期金利が低下したことから押し目では買いが入り、小幅安で終えた。日経平均は1勝2敗も、4月29日の大幅高が貢献して週間ではプラス。週間では約301円上昇した。週初の発射台が高かったことから、週足では十字に近いながらも陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、10年国債入札(5/8)、日銀金融政策決定会合の主な意見(4/25~26開催分)、3月毎月勤労統計調査、4月都心オフィス空室率、3月景気動向指数(5/9)、オプションSQ、3月家計調査、4月景気ウォッチャー調査、30年国債入札(5/10)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、中国財新4月サービス部門購買担当者景気指数(5/6)、米アップルがイベント開催、米3月消費者信用残高、米3年国債入札(5/7)、米10年国債入札(5/8)、中国4月貿易収支、米30年国債入札(5/9)、米5月ミシガン大学消費者態度指数、米4月財政収支(5/10)などがある。
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