NY為替見通し=米経済指標とFRB高官の発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国の経済指標を見極めた後は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官による利下げ開始時期への言及に注目する展開となる。

 4月米住宅着工件数(予想:142.0万件、前月比7.5%)や建設許可件数(予想:148.0万件、前月比0.9%)では、住宅ローン金利の高止まりを受けた住宅市場への影響に要注目となる。
 
 昨日発表された米4月消費者物価指数(CPI)では、サービスの中で最大のカテゴリーである住居費が3カ月連続で前月比0.4%上昇、持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)も3カ月連続で0.4%上昇していた。堅調な住宅費用がインフレ率が下げ止まっている理由となっている。

 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/178.5万人)では、前回分の数字が増加していたことで、米国の5月の雇用情勢を確認することになる。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)となっており、12月のFOMCでも追加利下げが見込まれている。

 本日は、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)の議会証言、バーキン米リッチモンド連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁の講演が予定されており、利下げ開始時期への言及には警戒しておきたい。

 パウエルFRB議長は、先日、「われわれは忍耐強くあるべきで、景気抑制的な政策がその効果を発揮するのを待つ必要があることが分かった」と述べていた。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、156.02円(日足一目均衡表・基準線)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、152.78円(5/2安値)


(山下)
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