東京為替見通し=前週末の日銀利上げに対する本邦株式市場の動きに注目

 24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、市場で「日銀がしばらくは様子見に移る」との見方が広がり円売りを促されると、一時156.57円と日通し高値を更新した。もっとも、前日高値156.75円がレジスタンスとして意識されたほか、一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.52円付近まで下押しした。ユーロドルは欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりにNY市場でもユーロ買い・ドル売りが入った。米長期金利が低下に転じたことなども相場を支援材料となり1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。

 本日は、前週末の日銀の利上げに対する株式市場の動きを確認しながらの展開になるか。日銀は0.25%の利上げを行い、声明でインフレ見通しを引き上げた。一方、植田日銀総裁は会見で「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」などと発言したことで、日銀の早期追加利上げ期待をけん制した格好となっている。

 前週末の日経平均先物は海外市場で堅調地合いを維持しており、日銀の早期追加利上げ期待の後退を背景に東京市場でも株高の流れが続くようならば、ドル円を押し上げる可能性がある。ただ、前週末の米国株は今週から始まる米企業決算などを前に調整安となっており、こちらがより意識されるようならば上値が重くなることも考えられる。

 市場関係者が最も注目する今週のイベントは28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)であり、日銀イベント通過後の反応が一服するとFOMCを見極めたいと手控えムードが広がる展開も想定される。

 他方、トランプ米大統領が20日に就任してトランプ劇場の第2幕が開いた直後であることを考えると、当面は関税政策を始めとして大統領の政策内容に神経質な展開が予想される点には注意したい。

 そのほか、中国では1月製造業PMIが発表予定。市場予想は前月並みの50.1と、3カ月連続で好不況の分岐点である50を超える見通しとなっている。結果に注目したい。

(川畑)
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