ロンドン為替見通し=GDPに注目、気の抜けない一日に

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、仏・独・ユーロ圏の国内総生産(GDP)・速報値を確認しながら、方向感を探ることになるか。

 ユーロ圏では多数の経済指標の発表が予定されており、その中でも注目が集まりそうなのは、仏・独・ユーロ圏の1-3月期GDP・速報値だろう。市場予想は、前期比で仏はわずかにプラス転となるも、ユーロ圏は前期並みの伸び率だが前年比ではわずかに伸びが鈍化、独は前期比はプラス転予想も、前年比ではマイナスが見込まれている。トランプ関税の影響がこれから顕在化してゆくことを考慮すると、弱い予想を下回る結果が相次いだ場合は、欧州景気への懸念からユーロ売りの材料視される可能性がある。

 ユーロドルは23日に1.1308ドルの安値をつけた後は概ね1.13ドル台前半から1.14ドル台前半でのレンジを形成しており、レンジを下抜ける動きとなれば下値模索の動きが先行する展開も想定される。

 トランプ関税について、米中貿易摩擦の激化が懸念される局面ではドル売りという形でユーロドルを押し上げると、今月21日には2021年11月以来の高値1.1573ドルを付けた。足もとでは貿易摩擦の激化懸念が和らいでドル売りは一服しているものの、関税問題が続いている点を踏まえると警戒はしておきたいところ。貿易摩擦の激化懸念を想起させる発言、特に米中間に関するものが伝われば、短期的にはドル売りに作用することが予想される。

 そのほか、NY序盤には米国で4月ADP雇用統計や1-3月期四半期GDP・速報値、3月PCEデフレーターなど重要指標の発表が相次いで予定されている。月末日という需給面での要因もあり、気の抜けない一日となりそうだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の転換線1.1441ドル。超えると心理的節目の1.1500ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:23日安値1.1308ドル。割り込むと15日安値1.1264ドル。


(川畑)
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