ロンドン為替見通し=ユーロドル、米長期金利の動向で上下 欧州夕刻に当局者講演

 本日はユーロ圏から3月貿易収支が発表される程度であり、ロンドン市場でもユーロドルは、昨日ニューヨーク市場でも見られた米長期金利の動向に上下させられそうだ。なお欧州夕刻には、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が予定されている。またトルコ・イスタンブールでは、延期されたウクライナとロシアの直接協議が始まる予定。

 昨日は4月米卸売物価指数(PPI)の弱い結果を受けて、週明けから4.4%台に乗せて上昇基調を強めてきた米10年債利回りが大幅に低下。本日はNY前半に5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)の発表を控えているため、もう暫く金利低下方向に調整が続いてもおかしくはない。そうなると、ユーロドルが強含む場面もありそうだ。

 レーンECB専務理事の講演は、日本時間24時から開始予定。ECBのチーフ・エコノミストでもあり、利下げについて言及したとしても「データを見極めながら」という言葉は付いてくるだろう。もしインフレが目標を上回って定着するリスクを指摘するようであれば、流動性が薄くなる時間帯でユーロ相場が神経質に上下するかもしれない。

 戦争中のウクライナとロシアは、それぞれ交渉団をイスタンブールに送り、予定より1日遅れで直接協議が行われるもよう。しかしながら、期待された両国トップ会談は実現せず、停戦に向けて大きな進展はそれほど望めないとの見方が広がっている。交渉決裂となれば、地政学リスクの高まりが意識されることになる。

 なお18日には、ポルトガルで総選挙、ポーランドで大統領選が実施される。ポルトガルでは、中道右派連合が支持率でリードしているものの「過半数には届かず」との予想。いずれにせよ、政情不安は続くと見られている。ポーランドではどの候補も50%の得票率に届かず、上位2名による決選投票に進む可能性が高い。ただ、リベラル派(国会で多数派)の候補が優勢のもよう。結果は、欧州連合(EU)との関係性や対ウクライナ政策にも影響してきそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、14日高値1.1266ドルを超えると日足一目均衡表・基準線1.1319ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.1165ドルを割り込むと13日安値1.1085ドル



(小針)
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