豪、中国やブルネイから燃料・農業資材の緊急調達

 中東の緊迫した情勢により世界的な物流ルート(ホルムズ海峡)が閉鎖され、モノの供給が滞っている問題で、豪政府が新たな調達先を確保したことがロイター通信などの報道で明らかになった。具体的には、中国から60万バレル以上の航空燃料を、ブルネイから3万8500トンの農業用尿素(肥料の原料)を緊急で買い付け、これらは6月初旬から順次オーストラリアに到着する予定。

 飛行機の燃料が不足すれば国内の交通網が麻痺し、肥料が不足すれば野菜や穀物などの食料生産コストが跳ね上がって国民生活に直結する。そのため政府は、社会への打撃が特に大きいこの2つの分野を最優先し、中東の回復を待たずに動けるルートから物資を確保するスピード対応を見せた。

 しかし、今回の調達は目先のピンチをしのぐための「応急処置」に過ぎず、豪州全体の莫大な消費量をまかなうには足りていない。中東の物流ルートが閉ざされたままであれば、今後もさらに高いコストを払って別の国から買い続けなければならず、それが国内の物価をさらに押し上げる原因にもなりかねない。

 また、国際関係の緊張が続く中で特定の国への依存度を強める買い方は、国の安全保障の観点からも議論を呼ぶ可能性がある。今回の緊急調達によって最悪の事態は一歩遠のいたものの、エネルギーや重要な資源を海外に頼り切っているオーストラリアが、今後どうやって自国の経済を守っていくかという根本的な弱点が改めて浮き彫りになっている。

(小針)
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