スターマー英首相の辞任背景、今後の新党首選挙プロセス

 英国では22日、スターマー英首相が辞任を表明した。要因は26年地方選の大敗、緑の党や右派の台頭による支持層離反、公共サービス改革の停滞や政策撤回による信頼失墜など。また、米国のイランとの戦争に英国が不参加としたことによる対米関係悪化と閣内造反も挙げられる。

 2024年の歴史的大勝からわずか2年足らずで、スターマー首相は退陣発表に追い込まれた。国内外の深刻な政治的・経済的要因が重なったことで、首相の求心力低下と党内からの強い突き上げに抗えなくなったことが背景にある。

 スターマー氏の辞任に伴い、与党・労働党の全国執行委員会(NEC)は後継を決める正式な党首選挙のタイムラインを設定した。現在、次期リーダーの筆頭と目されるのが、18日の下院補選で国政復帰したバーナム前グレーター・マンチェスター市長だ。最大のライバルとされた元保健相ストリーティング氏が不出馬と支持を電撃表明したことで、党内ではバーナム氏の無投票当選への傾きも見せている。

 党首選の立候補受付は7月9日から16日の予定。バーナム氏の対立候補が立たない場合は、7月中旬にも新首相が誕生する見通しを主要メディアが伝えている。一方、労働党議員団の20%にあたる81名以上の推薦を集めた候補者が現れた場合は、本格的な投票戦へと突入する。

 投票実施の展開となった場合、数週間にわたり全党員や関連労働組合による郵送・オンライン投票が実施される。バーナム氏ら候補者の間で党の理念や今後の経済・外交方針を巡る公開討論が行われるため、民主的な正統性を確保できるメリットがある。その一方、無投票当選とならず決選投票になれば新首相の決定は9月1日までずれ込むため、政治空白の長期化や選挙戦を通じた党内亀裂の表面化というリスクも孕んでいる。


(小針)
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