週間為替展望(ポンド/加ドル)-延期のBOE会合に注目

◆BOE会合、0.50%利上げ予想も0.75%利上げの思惑も浮上
◆加ドル、日米金融政策イベントなど外部要因にも注目
◆加ドル、加8月CPIに注目

予想レンジ
ポンド円 161.00-167.00円
加ドル円 106.50-111.00円

9月19日週の展望
 来週、英国内ではエリザベス女王の死去に伴い国を挙げて喪に服す期間に入ったことを理由に1週間延期となったイングランド銀行(BOE、英中銀)の金融政策会合を控えている。日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)も予定されており、全般、金融政策イベントに注目する展開となる。

 英8月消費者物価指数(CPI)は前年比9.9%と、40年ぶりの高水準となった7月の10.1%からは伸びが鈍化した。前年比の伸び率が鈍化したのは約1年ぶりとなる。依然としてBOEにとって容認し難い高い水準であることに変わりはないが、この結果はインフレが近くピークを付けるとの観測を後押しする可能性もある。

 来週の会合では0.50%の追加利上げがメインシナリオとなっているが、一部では0.75%利上げの思惑も浮上。ただ、BOEが成長に対してより慎重な見通しを保持しているなか、トラス英首相の光熱費の上昇を抑制する対策が今冬の深刻な物価上昇の緩和につながる可能性もあることから、0.75%の利上げを実施する可能性は低いとみている。市場ではBOEはほかの主要中銀よりインフレ対策において信頼性が低いとの見方が強い。経済的逆風に覚悟を持って市場予想以上の大幅利上げを決断し、インフレ抑制に強い意志を示さない限り、ポンドの重い動きが続くと見ている。

 加ドルは、日米の金融政策イベントや、円安が一段と進むと日本政府・日銀が円安阻止介入に動くかどうかなど、外部要因に注目する展開となる。また、原油相場の動きも気がかりとなる。原油価格は各国の金融引き締めが世界的な景気後退を招き、需要が減退するとの懸念が強まったことで軟化しているが、10 月には米国による戦略備蓄の放出が終了し、北半球はエネルギー需要が高まる冬を迎え、需給は逼迫度合いを高めるものとみられている。原油価格が一段と下げ基調を強める可能性は低いと見ている。

 加国内では7月小売売上高や8月CPIの発表が予定されている。7月CPIは前年比+7.6%と6月から上昇の勢いはやや鈍化した。2カ月連続の鈍化となれば、カナダ中銀(BOC)が積極的な引き締め姿勢を緩めるとの思惑が強まる可能性がある。9日発表の8月の新規雇用者数変化は3.97万人減と3カ月連続減少し、利上げの景気減速への影響を強める結果となった。ただ、賃金は前年比+5.6%と7月から伸びが加速しており、BOCは利上げ姿勢を維持すると見込まれている。

9月12日週の回顧
 予想比上振れの8月米CPIを受けて米金利の上昇に伴いドルが堅調な動きだった。ポンドドルは英8月小売売上高が大幅鈍化したのも嫌気され、1.13ドル半ばまで約37年ぶりの安値を更新した。また、物価高騰で実質賃金はマイナス圏での推移が続いているものの、賃上げ圧力が高まっている。ドル/加ドルは原油価格の下落も重しとなり、1.33加ドル前半まで加ドル安となった。対円では買いが先行するも、本邦の円買い介入警戒感で失速。ポンド円は162円後半、加ドル円は107円後半に押し戻された。(了)
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