NY株見通し-上値の重い展開か 11月小売売上高などの経済指標に注目

 今晩のNY市場は上値の重い展開か。昨日は米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの長期化が示され、ターミナルレート(利上げの最終到達地点)が引き上げられたことで主要3指数がそろって3日ぶりに反落した。利上げ幅は市場の予想通り0.50%となり、過去4回連続での0.75%から縮小されたものの、2023年末のFOMCメンバーのFF金利予想(ドットプロット)の中央値が5.00-5.25%となり、2023年に0.75%の利上げ予想が示された。市場の一部では2023年後半の利下げ転換の期待もあったが、ドットプロットで利上げ継続が示され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長も会見でインフレ抑制のための引き締め姿勢継続を強調した。今晩の取引ではFOMCを通過し、先行き不透明感が薄れたことが支援となることが期待されるものの、FRBによる金融引き締め長期化見通しが上値の圧迫要因となりそうだ。利上げ長期化による景気後退(リセッション)懸念も意識され、足もとの景気動向を巡り発表される経済指標をにらんだ神経質な展開となりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは12月NY連銀製造業業況指数、新規失業保険申請件数、12月フィラデルフィア連銀業況指数、11月小売売上高など。企業決算は引け後にアドビが発表予定。(執筆:12月15日、14:00)
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