ニューヨーク外国為替市場概況・7日 ユーロドル、続伸

 7日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0948ドルと前営業日NY終値(1.0899ドル)と比べて0.0049ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「前回理事会以降、インフレはさらに低下した」としたうえで、今年のインフレ率見通しを従来の2.7%から2.3%に下方修正した。ECBの利下げ観測が高まると全般ユーロ売りが先行し、23時前に一時1.0868ドルと日通し安値を付けた。なお、短期金融市場では年内に想定される利下げ幅が1%と0.25%の利下げが4回実施されることを織り込む場面があった。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「インフレに関する確信は十分ではない」「ECBの景気抑制的な政策の時期は当面続くだろう」「今回の会合で利下げは議論しなかった」と発言。全般ユーロを買い戻す動きが広がり、5時30分過ぎに1.0949ドルと1月16日以来の高値を更新した。
 欧米株価の上昇を背景にリスク・オンのドル売りも出た。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.81と1月24日以来の低水準を付けた。

 ドル円は3日続落。終値は148.05円と前営業日NY終値(149.38円)と比べて1円33銭程度のドル安水準だった。日銀の早期政策修正観測が高まる中、NY勢参入後も円買い・ドル売りの流れが続いた。22時30分前には一時147.59円と2月2日以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は148.30円付近まで下げ渋る場面があった。一時は4.0498%前後と2月5日以来の低水準を付けた米10年債利回りが4.12%台まで上昇したことなどが相場を下支えした。欧米株価の上昇や日経平均先物の持ち直しに伴う円売りも出た。
 もっとも、対ユーロ中心にドル売りが強まると再び上値が重くなった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で「FRBが利下げに着手するために必要なインフレ低下に対する確信はそう遠くない(not far)将来に得られる」との考えを示したことも相場の重しとなった。

 ユーロ円は3日続落。終値は162.08円と前営業日NY終値(162.81円)と比べて73銭程度のユーロ安水準。日銀が金融政策の修正に早期に動くとの観測が円買いを促し、22時30分過ぎに一時160.56円と2月12日以来の安値を付けたが、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。ラガルドECB総裁の発言や株高が円売り・ユーロ買いを誘った。5時30分過ぎには162.14円付近まで値を戻した。

本日の参考レンジ
ドル円:147.59円 - 149.38円
ユーロドル:1.0868ドル - 1.0949ドル
ユーロ円:160.56円 - 162.85円

(中村)
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