欧州マーケットダイジェスト・8日 株安・金利低下・円高

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.02円(8日15時時点比▲0.78円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.83円(▲0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:7659.74(前営業日比▲32.72)
ドイツ株式指数(DAX):17814.51(▲28.34)
10年物英国債利回り:3.976%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.267%(▲0.039%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1月独鉱工業生産
前月比                1.0%     ▲2.0%・改
前年比                ▲5.5%    ▲3.5%・改
1月独生産者物価指数(PPI)
前月比                0.2%      ▲1.2%
1月仏貿易収支       73.88億ユーロの赤字 64.21億ユーロの赤字・改
1月仏経常収支        10億ユーロの赤字  2億ユーロの赤字・改
10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値
前期比                0.0%       0.0%
前年同期比              0.1%       0.1%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は軟調。「日銀は18-19日の金融政策決定会合でマイナス金利解除に傾く政策委員が増えている」「日銀は国債買い入れ規模を示す新たな量的金融政策の枠組みを検討」との観測報道が相次いだことを受けて全般円買いが先行。NY市場に入り、2月米雇用統計が低調な結果となったことが分かると米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が高まり、ドル売りが加速した。22時30分過ぎに一時146.49円と2月2日以来の安値を更新した。
 なお、米労働省が発表した2月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比27.5万人増と予想の20.0万人増を上回ったものの、前月の数値が35.3万人増から22.9万人増に大幅に下方修正された。また、失業率は3.9%と予想の3.7%より弱い内容となったほか、平均時給は前月比0.1%上昇/前年比4.3%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比4.4%上昇を下回った。
 市場関係者からは「雇用者数は予想を上回ったが、全体として弱い内容だった。FRBは6月に利下げを実施する可能性が高くなった」との声が聞かれた。

・ユーロドルは荒い値動き。米雇用統計発表直後に一時1.0921ドルと日通し安値を付けたものの、FRBの早期利下げ観測が高まる中、一転ドル売りが優勢になるとすぐに持ち直した。22時40分頃に一時1.0981ドルと1月12日以来の高値を付けた。
 ただ、そのあとは再び弱含んだ。「欧州中央銀行(ECB)当局者らは初回利下げについて6月を圧倒的に支持している」との一部報道が伝わり、ECBの利下げも意識された。なお、「依然として4月利下げ開始を主張する一部当局者の支持を得るために、7月に2回目の利下げを行うという案も浮上している」という。3時過ぎには1.0936ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は頭が重かった。日銀の早期政策修正観測が高まる中、日本時間夕刻に一時160.62円と日通し安値を付けた。ただ、前日に付けた約1カ月ぶりの安値160.56円がサポートとして働くと下げ渋った。
 NYの取引時間帯に入ると、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が乏しくなった。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに高値警戒感と先高観が混在し、小安い水準でのもみ合いとなった。個別ではラインメタル(3.37%安)やコンチネンタル(2.50%安)、DHLグループ(2.31%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。ECBによる利下げ観測の高まりを背景に独国債が買われた。

(中村)
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