ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、5日続落

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら5日続落。終値は146.95円と前営業日NY終値(147.06円)と比べて11銭程度のドル安水準だった。日銀が上場投資信託(ETF)買い入れを見送ったことを受けて、欧州時間に日経平均先物の下落とともに一時146.49円まで売られた影響が残った。
 ただ、NY市場に限れば下値の堅さが目立った。前週末の安値146.49円や一目均衡表雲の上限146.12円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、24時前に147.15円付近まで値を上げた。もっとも、週明け早朝取引で付けた日通し高値147.16円を上抜けることは出来なかった。

 ユーロドルは小幅続落。終値は1.0926ドルと前営業日NY終値(1.0939ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、前週末の安値1.0921ドルを下抜けて一時1.0915ドルまで値を下げた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、1.0930ドル付近まで下げ渋った。明日12日の2月米消費者物価指数(CPI)の発表を前にポジションを傾けにくい面もあった。

 ユーロ円は5日続落。終値は160.55円と前営業日NY終値(160.86円)と比べて31銭程度のユーロ安水準。日銀の早期政策修正観測が高まる中、日経平均先物の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入ると、欧州時間に一時160.22円と2月8日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比440円安の3万8090円まで下落する場面があった。
 ただ、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感に乏しい展開となった。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調。対ドルで一時7万2880ドル前後、対円で1068万円台と史上最高値を更新した。英規制当局が機関投資家向けの仮想通貨の上場投資証券(ETN)の上場を許可したことが買いを誘った。かつてビットコインをはじめとする暗号資産に懐疑的だったトランプ前大統領が「大統領としてビットコインやその他の仮想通貨を取り締まらない」との意向を示したことも好感された。

本日の参考レンジ
ドル円:146.49円 - 147.16円
ユーロドル:1.0915ドル - 1.0953ドル
ユーロ円:160.22円 - 161.14円

(中村)
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