欧州マーケットダイジェスト・15日 株安・金利上昇・円安

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.03円(15日15時時点比△0.71円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.20円(△0.88円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0884ドル(△0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:7727.42(前営業日比▲15.73)
ドイツ株式指数(DAX):17936.65(▲5.39)
10年物英国債利回り:4.102%(△0.012%)
10年物独国債利回り:2.442%(△0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.9%       0.8%
前年比                3.0%       2.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。今週発表された米物価指標がインフレ圧力の根強さを示したことで、米利下げ先送り観測が高まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.3182%前後まで上昇。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となり、1時過ぎに一時149.17円と日通し高値を付けた。
 連合が公表した2024年春闘の第1回回答集計では平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準を記録した。これを受けて、日銀が来週18-19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利を解除するとの観測が一段と強まったものの、「政策修正は織り込み済み」との見方から円買いでの反応は一時的だった。「日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する」との思惑が円売りを促した面もあった。

・ユーロ円は堅調。日銀がマイナス金利を解除するとの観測が一段と強まった半面、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境が維持されるとの思惑が円売りを誘った。1時過ぎに一時162.40円と本日高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時190.03円、豪ドル円は97.97円、カナダドル円は110.30円、スイスフラン円は168.83円まで値を上げたほか、メキシコペソ円は8.93円と2008年10月以来の高値を更新した。

・ユーロドルは方向感に乏しい展開。欧州勢参入後はユーロ買いが進んだ流れに沿って一時1.0900ドルと日通し高値を付けたものの、NY勢が加わる時間帯に入るとじり安の展開となった。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が後ずれするとの観測が強まる中、米長期金利が上昇しユーロ売り・ドル買いを誘った。1時前には1.0881ドル付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は続落。米利下げ先送り観測を背景に米国株相場が軟調に推移すると英株にも売りが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値を下げ、相場の重しとなった。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら3日続落。しばらくはプラス圏で推移していたが、米国株相場が下落すると独株にも売りが出たため終盤失速した。個別ではボノビア(10.55%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(6.02%安)、メルク(1.85%安)などが売られた。半面、ラインメタル(3.00%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(1.92%高)などが買われた。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。


(中村)
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