株式明日の戦略-大幅高で史上最高値を更新、早くも41000円が射程圏内に

 21日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は812円高の40815円。東京市場が休場の間の米国株は19日、20日と連日で上昇。20日はFOMCで出てきたメッセージがハト派的と受け止められ、主要3指数がそろって史上最高値を更新した。

 これを受けて、寄り付きから500円を超える上昇。節目の40500円を上回った。前場では上げ幅を広げてくると押し戻す動きが見られたが、萎んでも40400円は下回らなかった。高くなったところでの売り圧力が限定的であったことから、後場はじり高の展開。14時近辺で上げ幅を800円超に広げると、そのまま高値圏で取引を終えた。日経平均は3月4日の水準を上回り、史上最高値を更新。TOPIXは連日で昨年来高値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆9000億円。大幅高となる中で商いも高水準となった。業種別ではパルプ・紙、銀行、卸売などが大幅上昇。下落は海運、陸運、食料品の3業種のみとなった。東京エレクトロン<8035.T>が買いを集めて5.5%高。日経平均へのプラス寄与は約203円あった。半面、日本郵船<9101.T>など海運株は株高の流れに乗れず逆行安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1121/値下がり484。主力銘柄が軒並み大幅高となっており、ソフトバンクG、ニデック、三井物産が5%台の上昇。東電HDが6%台の上昇となった。為替の落ち着きを好感して、トヨタ、スズキ、日産自など自動車株の一角に強い買いが入った。新興銘柄の動きも良く、QPS研究所が一時ストップ高となるなど急騰。材料のあったところでは、増配を発表した鉄建建設や上方修正を発表した雪国まいたけが急伸した。出光興産が筆頭株主になる見込みとなった富士石油はストップ高まで買い進まれた。

 一方、ソニーGが軟調。NTT、KDDI、ソフトバンクの通信大手3社がそろって下落した。JR東日本や富士急行など鉄道株も弱く、ディフェンシブ性の強いセクターがリスクオンの地合いの中で敬遠された。3Qでは大幅増益も通期見通しの据え置きが嫌気されたサツドラHDが9%を超える下落となった。

 本日、グロース市場に新規上場したトライアルとSTGは、いずれも高い初値をつけ、場中に大きく上値を伸ばす場面があった。ただ、高くなったところでは売りに押され、ともに終値は初値を小幅に下回った。

 日経平均は大幅高。FOMCが米国株の買い材料となり、米長期金利は低下したにもかかわらずドル円は円安気味で推移するという、日本株にとって非常に良い流れとなった。休場前19日の引け間際に40000円を上回り、きょうはスタートから40500円を上回る展開。こうなると売りは手控えられ、買いは急がれる。史上最高値を更新したことで、天井感も払しょくされた。きょうは出来すぎの感もあるだけに週末のあすは反動が出てくるかもしれないが、下げたとしても利益確定の一環と受け止められるだろう。ローソク足では陽線が5本並んでおり、場中の動きが良い。大崩れすることなく次の節目の41000円もあっさり超えてくるようなら、そのことが追随買いを呼び込む展開も期待できる。
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