株式明日の戦略-4月は大幅安スタート、早期に4万円台を回復できるかが焦点に

 4月に入り1日の日経平均は大幅反落。終値は566円安の39803円。先週末の米国株は
グッドフライデーで休場であったが、市場予想並みの結果となった米2月個人消費支出(PCE)物価指数を好感する格好で寄り付きから200円を超える上昇。開始直後には上げ幅を300円超に広げた。

 しかし、買いが続かず急失速。ほどなくマイナス圏に沈むと、心理的節目の40000円もあっさり割り込んだ。序盤では40700円近辺まで上昇したところから、前場のうちに一気に39700円台まで水準を切り下げた。後場のスタート近辺で売りは一巡し、いったんは戻りを試しに行ったが、40000円に接近してくると売り直された。13時以降は39800円近辺で動意が乏しくなり、500円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆6400億円。業種別ではプラスはゴム製品1業種のみで、精密機器や食料品が小幅な下落。一方、石油・石炭、証券・商品先物、その他金融などの下げが大きくなった。上期の利益が計画を上振れた地域新聞社<2164.T>が買いを集めて場中値付かずのストップ高比例配分。半面、子会社において個人情報の漏えいがあったことを公表したカオナビ<4435.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり287/値下がり1331。幅広い銘柄が売られる中でソニーGが逆行高。金融子会社の再編観測が報じられた楽天Gや、米国での港湾クレーンに関するリリースが好感された三井E&Sが上昇した。中国の経済指標が改善したことを手がかりに恩恵があると見なされる銘柄が物色されており、ファナック、安川電機といったFA関連、カシオ、シチズン時計といった時計関連、資生堂、コーセーといった化粧品関連などに資金が向かった。

 主力銘柄はほぼ全滅で、トヨタが4%を超える下落。トヨタ系も弱く、デンソーによる保有株売却が嫌気された豊田自動織機が10%近い下落となり、デンソーも3%近い下落となった。三菱UFJや三井住友など金融株が全般軟調。第一生命HDは新中計や株主還元強化を発表して寄り前の気配はかなり高かったが、小幅高スタートにとどまり下落で終えた。アドバンテストやSCREENなど半導体株の一角が大幅安。3Q決算が失望を誘った三益半導体が5%を超える下落となった。

 日経平均は大幅安。上昇スタートから突如崩れた要因としては、金融機関による期初の益出しを指摘する見方があった。業種やテーマではあまり濃淡がついておらず、トヨタ、三菱UFJ、アドバンテストなど主力ど真ん中銘柄がそろって大きく下げており、そのような売り需要が一定程度発生したと推測される。25日線(39741円、1日時点、以下同じ)近辺では下げ渋っており、弱い中でもテクニカルの節目は意識された。下げた理由が益出しのみであれば、いったんはこの近辺で売り圧力が和らぐだろう。なお、同水準を明確に割り込んだ場合には、13週線(38253円)辺りまでの下押しも想定しておく必要がある。

 まずは今晩の米国株の動向が注目される。FRBが重要視するインフレ指標が市場予想並みとなったことはマーケットには好材料であったと思われる。これを受けて米国株が上昇すれば、日本株もきょう下げた反動で広範囲に押し目買いが入ると期待できる。昨年後半以降の日経平均の調整は25日線近辺で一巡することが多く、全面高で反転できれば、今回もそのパターンになるとの見方が強まる。きょうの安値は39706円。これを下回ることなく、早々に40000円台を回復できるかに注目したい。
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