ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、小反発

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小反発。終値は151.70円と前営業日NY終値(151.56円)と比べて14銭程度のドル高水準だった。3月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が18.4万人増と予想の14.8万人増を上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行。23時前に一時151.95円と日通し高値を更新した。
 ただ、3月米ISM非製造業指数が51.4と予想の52.7を下回ったことが分かると失速した。一時は4.4274%前後と昨年11月以来の高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、151.58円付近まで下押しした。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円やノックアウトオプションが観測されている152.00円もレジスタンスとして意識された。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「雇用とインフレに関する最近の統計は予想よりも強いが、全体像は大きく変わらない」としたうえで、「経済の力強さとインフレを巡るこれまでの進展を踏まえると、今後発表されるデータに基づいて政策決定を行っていく時間がある」と述べ、利下げを急がない考えを改めて強調した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0836ドルと前営業日NY終値(1.0770ドル)と比べて0.0066ドル程度のユーロ高水準だった。ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、米ISM非製造業指数が予想を下回ったことから全般ドル売りが優勢となった。3時過ぎには一時1.0837ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.23まで低下した。

 ユーロ円は続伸。終値は164.38円と前営業日NY終値(163.22円)と比べて1円16銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、日経平均先物の上昇でリスク・オンの円売りも優勢となり、一時164.39円と日通し高値を更新した。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比560円高の4万0090円まで上昇する場面があった。

 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時191.94円、豪ドル円は99.65円、NZドル円は91.18円、カナダドル円は112.32円、スイスフラン円は168.04円、メキシコペソ円は9.18円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:151.44円 - 151.95円
ユーロドル:1.0764ドル - 1.0837ドル
ユーロ円:163.07円 - 164.39円

(中村)
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