NYマーケットダイジェスト・3日 株まちまち・原油高・金最高値・ドル安・円安

(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=151.70円(前営業日比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.38円(△1.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0836ドル(△0.0066ドル)
ダウ工業株30種平均:39127.14ドル(▲43.10ドル)
ナスダック総合株価指数:16277.46(△37.01)
10年物米国債利回り:4.34%(▲0.01%)
WTI原油先物5月限:1バレル=85.43ドル(△0.28ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2315.0ドル(△33.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
3月ADP全米雇用報告         18.4万人   15.5万人・改
3月米ISM非製造業指数         51.4       52.6

(各市場の動き)
・ドル円は小反発。3月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が18.4万人増と予想の14.8万人増を上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行。23時前に一時151.95円と日通し高値を更新した。
 ただ、3月米ISM非製造業指数が51.4と予想の52.7を下回ったことが分かると失速した。一時は4.4274%前後と昨年11月以来の高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、151.58円付近まで下押しした。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円やノックアウトオプションが観測されている152.00円もレジスタンスとして意識された。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「雇用とインフレに関する最近の統計は予想よりも強いが、全体像は大きく変わらない」としたうえで、「経済の力強さとインフレを巡るこれまでの進展を踏まえると、今後発表されるデータに基づいて政策決定を行っていく時間がある」と述べ、利下げを急がない考えを改めて強調した。

・ユーロドルは続伸。ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、米ISM非製造業指数が予想を下回ったことから全般ドル売りが優勢となった。3時過ぎには一時1.0837ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.23まで低下した。

・ユーロ円は続伸。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、日経平均先物の上昇でリスク・オンの円売りも優勢となり、一時164.39円と日通し高値を更新した。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比560円高の4万0090円まで上昇する場面があった。

・ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時191.94円、豪ドル円は99.65円、NZドル円は91.18円、カナダドル円は112.32円、スイスフラン円は168.04円、メキシコペソ円は9.18円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。個別に悪材料が出たインテルやウォルト・ディズニーが売られ、相場の押し下げ要因となった。ただ、3月米ISM非製造業指数が予想を下回ると、FRBが利下げを先送りするとの懸念が和らぎ、上げに転じる場面もあった。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発。米長期金利の上昇が一服すると、ハイテク株を中心に買い戻しが入った。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに小反発。3月ADP全米雇用報告が予想を上回ったほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「今年の利下げは1回のみと予想」との考えを改めて示すと売りが先行。利回りは一時4.4274%前後と昨年11月以来の高水準を付けた。ただ、3月米ISM非製造業指数が予想を下回ったことが分かると買い戻しが優勢となり、上げに転じた。

・原油先物相場は4日続伸。オンラインで開催された石油輸出国機構(OPEC)プラスの合同閣僚監視委員会では、現在実施されている減産方針の維持が確認された。これを受けて原油買いが先行し、86ドル前半まで上昇した。もっとも、一巡後は利益確定売りに押される展開に。米エネルギー省(EIA)週間在庫統計では、一部で取り崩しが予想された原油が積み増しに振れたことも重しとなった。

・金先物相場は7日続伸。中東情勢の緊迫化を背景に時間外から下値が堅かったところに、3月米ISM非製造業指数が市場予想を下回ったことで買いに勢いがついた。為替相場でドルが対ユーロなどで軟調に推移したこともドル建て金の支えとなり、この日も清算値ベースでの過去最高値を更新した。

(中村)
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