ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、34年ぶり高値

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は153.16円と前営業日NY終値(151.76円)と比べて1円40銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した3月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%/前年比3.5%と予想の前月比0.3%/前年比3.4%を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.4%/前年比3.8%と予想の前月比0.3%/前年比3.7%より強い内容となった。米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まると、全般ドル買いが優勢となり、節目の152.00円や153.00円を突破。目先のストップロスを断続的に誘発し、一時153.24円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。米財務省が実施した米10年債入札が「不調」に終わり、米長期金利が上昇幅を拡大したこともドル買いを促した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5660%前後と昨年11月14日以来の高水準を記録した。

 ユーロドルは下落。終値は1.0743ドルと前営業日NY終値(1.0857ドル)と比べて0.0114ドル程度のユーロ安水準だった。3月米CPIの上振れをきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが活発化。1時30分過ぎ一時1.0729ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.30と昨年11月14日以来約5カ月ぶりの高値を付けた。
 ただ、2日の安値1.0725ドルがサポートとして働くと1.0754ドル付近まで下げ渋る場面があった。

 ユーロ円は続落。終値は164.54円と前営業日NY終値(164.80円)と比べて26銭程度のユーロ安水準。米CPI発表後にユーロドルが下落すると円買い・ユーロ売りが先行。22時前に一時164.03円と日通し安値を付けた。ただ、そのあとはドル相場となったため、ユーロ円自体は方向感に乏しい展開となった。

 米ドルカナダドルは一時1.3703カナダドルと昨年11月24日以来の高値を付けた。カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を5.00%に据え置くことを決めたと発表。声明では「インフレ率は2025年に中銀の目標に達すると予想」「物価安定を回復するという確固たる決意を維持」との見解を示した。ただ、マックレムBOC総裁が会見で「6月利下げは可能性の範囲内」「予想通りの展開になれば、利下げが適切になるだろう」などと発言すると、米ドルが全面高となる中でカナダドル売りも出た。

本日の参考レンジ
ドル円:151.68円 - 153.24円
ユーロドル:1.0729ドル - 1.0867ドル
ユーロ円:164.03円 - 164.99円

(中村)
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