予想とまとめ

週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、インフレ指標で利上げ見極め
2026/10/16 11:13
◆ポンド、CPIと雇用指標が焦点
◆加ドル、雇用悪化後のCPIに注目
◆加ドル、米加通商摩擦が引き続き重し

予想レンジ
ポンド円 207.00-211.50円
加ドル円 110.00-112.50円

10月19日週の展望
 来週のポンドは21日発表の9月消費者物価指数(CPI)を中心に、20日の雇用関連指標を見極める展開となりそうだ。イングランド銀行(英中銀、BOE)ではインフレ圧力への警戒が続いており、市場では11月の利上げ観測が意識されている。一方、ピルBOEチーフエコノミストは14日、市場が織り込む今後1年間で4回の利上げに懐疑的な見方を示した。利上げ期待がポンドを下支えする一方、金融引き締めが大幅に進むとの見方には慎重な姿勢も残っている。

 8月CPIは前年比3.1%と、7月の2.9%から上昇した。来週の9月CPIがさらに加速すれば、インフレの根強さが意識され、利上げ観測の強まりからポンド買いにつながる可能性がある。一方、物価上昇が鈍化し、雇用や賃金の減速も確認されれば、過度な利上げ期待が後退し、ポンドの上値を抑えそうだ。23日には小売売上高や10月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表も予定されており、物価だけでなく消費や企業活動の底堅さも確認したい。

 もっとも、英長期金利の上昇や財政運営への懸念は引き続き注意が必要だ。金利上昇は利上げ観測を通じてポンドを支える半面、企業や家計の借り入れ負担を高め、景気を下押しする可能性がある。28日の予算案を控え、財政健全化策の内容を巡る思惑も残る。来週はCPIなどの結果を受けた金融政策見通しの変化を軸に、英長期金利や米金利、原油相場の動向をにらむ展開となりそうだ。

 加ドルは9月雇用統計の悪化を受け、19日の9月CPIが注目される。カナダの9月雇用者数は約6万8300人減少し、失業率も6.5%へ上昇した。労働市場の弱さを受けてカナダ中銀(BOC)の金融政策を巡る見方が揺れており、物価動向が次の焦点となる。9月CPIは総合指数が前年比3.2%と8月の3.0%から上昇し、コア指標も一部で伸びが加速する見通しだ。CPIが予想を上回ればインフレ警戒から利上げ観測が持ち直し、加ドルの支援材料となり得る。一方、物価の伸びが鈍化すれば、雇用悪化と合わせて景気減速への懸念が強まり、加ドル売りにつながりやすい。

 また、米国との通商摩擦も加ドルの重しとなる。関税を巡る不透明感が長引けば、カナダの輸出や企業投資、雇用への悪影響が懸念される。一方、中東情勢などを背景に原油価格が上昇すれば、資源輸出国であるカナダには支援材料となる。ただし、原油高が国内物価を押し上げれば金融政策判断を複雑にする面もある。来週はCPIを通じてBOCの政策見通しを探りながら、米加通商協議や原油相場の動向に左右される展開となりそうだ。

10月12日週の回顧
 9月米CPI・PPIは予想比上振れしたが、米長期金利の上昇が一段落しドルは伸び悩んだ。ポンドドルは1.31ドル前半で下げ渋り、ドル/加ドルは昨年4月以来の加ドル安水準となる1.4300加ドルで上昇が一服した。ドル円の方向感が鈍かったこともあり、ポンド円は208円前半-210円前半のレンジで振幅し、加ドル円は111円を挟んで小幅の上下にとどまった。(了)
(執筆:10月16日、9:00)

国内イベントスケジュール

2026/10/12 06:15
12日
スポーツの日の祝日で休場
13日
08:50◇9月企業物価指数
14日
08:50◇9月マネーストックM2
15日
08:50◎8月機械受注
10:30◎小枝淳子日銀審議委員、あいさつ
13:30◇8月鉱工業生産確報
13:30◇8月設備稼働率
16日
08:50◇対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
15:30◎植田和男日銀総裁、あいさつ(内田副総裁代読)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2026/10/12 06:30
12日
18:30◎ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
19:30◎9月インドCPI
21:00◇8月メキシコ鉱工業生産
21:50◎マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
13日
01:10◎ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(バンコク、18日まで)
米国(コロンブスデー)、債券市場が休場
カナダ(感謝祭)、ブラジル(聖母の日)、休場
08:01◇9月英小売連合(BRC)小売売上高調査
09:30◎豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月28-29日分)
09:30◇9月豪NAB企業景況感指数
12:00◎グリーン英MPC委員、講演
15:00◎9月独CPI改定値
16:00◇8月トルコ経常収支
16:45◎ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
23:00◎9月米中古住宅販売件数
14日
01:00◎ディングラ英MPC委員、講演
02:00◎バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
05:00◎コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
09:00◎7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値
09:00◎シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
10:30◎9月中国CPI
10:30◎9月中国生産者物価指数(PPI)
12:30◎ジグマン・クロアチア中銀総裁、ブリーデンBOE副総裁、講演
12:45◎ムーラン仏中銀総裁、講演
15:00◇9月独卸売物価指数(WPI)
15:00◎ピル英MPC委員委員兼チーフエコノミスト、講演
17:30◎ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
18:20◎エスクリバ・スペイン中銀総裁、マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
18:40◎ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
20:00◇米MBA住宅ローン申請指数
21:30◇8月カナダ住宅建設許可件数
21:30☆9月米CPI
☆エネルギーと食品を除くコア指数
23:30◇EIA週間在庫統計
15日
02:30◎バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
03:00◎米地区連銀経済報告(ベージュブック)
09:30◎9月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
12:35◎コッハー・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
15:00☆8月英GDP
15:00◎8月英鉱工業生産/製造業生産高
15:00◇8月英商品貿易収支/英貿易収支
15:30◇9月スイス生産者輸入価格
15:45◇9月仏CPI改定値
18:00◎8月ユーロ圏鉱工業生産
21:00◎8月ブラジル小売売上高
21:30◇8月カナダ製造業出荷
21:30◇8月カナダ卸売売上高
21:30◎9月米卸売物価指数(PPI)
◎食品とエネルギーを除くコア指数
21:30◎10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21:30◎前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
21:30☆9月米小売売上高
23:00◇8月米企業在庫
16日
05:30◎ハマック米クリーブランド連銀総裁、討議に参加
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(バンコク)
11:00◎ベイリーBOE総裁、講演
11:30◎ナーゲル独連銀総裁、講演
12:30☆ウォーシュFRB議長、ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事と対談
13:15◎マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
18:00☆9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
18:00☆9月ユーロ圏HICPコア改定値
18:00◇8月ユーロ圏貿易収支
21:15◇9月カナダ住宅着工件数
21:30◇8月対カナダ証券投資
21:30◇9月米輸入物価指数
22:15◎9月米鉱工業生産指数
◇設備稼働率
17日
05:00◎8月対米証券投資動向
国際通貨金融委員会(IMFC、バンコク)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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