NY為替見通し=米国経済指標を見極めつつ、債務上限関連のヘッドラインに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国の経済指標を見極めつつ、債務上限関連のヘッドラインに警戒する展開が予想される。

 1-3月期米GDP改定値は前期比年率+1.1%、コアPCE改定値は前期比+4.9%と予想されている。しかし、1-3月期の数字であり、大幅な修正がない限り、市場への影響は限定的だと思われる。

 5月の雇用統計の調査対象週(5月12日週)の失業保険継続受給者数は180.0万人と予想されており、ウォラーFRB理事が言及した6月利上げを裏付けるデータとなるのか、労働市場の状況を見極めることになる。

 バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)との債務上限引き上げを巡る協議は、難航しているものの、双方とも生産的な話し合いだったとの見方を示している。6月1日のXデイの直前の来週5月29日は、メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の休日となるため、債務上限の引き上げを最終的に承認する上下両院の議員達は、25日にワシントンを離れて、30日以降に戻ってくることになっている。そして、債務上銀引き上げが妥結した場合、5月30日と31日に上下両院で採決されて承認されることになる。

 しかし、債務上限の引き上げが合意されても、2011年8月のように米国債が格下げされる可能性は払拭されないことで、格付け会社からの関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 また、イエレン米財務長官は、6月1日を米国がデフォルト(債務不履行)に陥るXデイだと警告しているが、税収が予定されている6月15日まで先送りされる可能性、さらに、9月末までの暫定延長や来年3月31日までの債務上限適用停止案などの可能性も予想されており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、ピボット・レジスタンス2の140.31円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、5月24日の安値の138.23円。



(山下)
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