株式明日の戦略-週間では下落も陽線を形成、来週は米国のCPIに要注目

 5日の日経平均は4日ぶり反発し、終値は89円高の33377円。後場は萎んだが、前日同様に半導体株が弱い中でもプラスで終えた。半導体株は流れが向けば短期間で急伸することもある。昨年後半の下げで買いづらくなっていた自動車株や銀行株に流れがきていることは、日本株を見る上で期待の持てる材料となる。また、きのうは建設株や薬品株、きょうは不動産株や証券株など、内需株を中心に底上げの動きが見られた。物色に広がりが出てくると、「買える銘柄探し」が活発となり、日本株全体では底堅さを増してくる。来週からは小売など9-11月が対象となる企業の業績発表が出始める。さらなる物色の広がりが期待できる中、昨年同様に日経平均が大発会を安値として水準を切り上げていくことができるかに注目したい。

【来週の見通し】
 堅調か。月曜8日が成人の日により休場で、立ち合いは4日。2024年に入って米国のグロース株が調整色を強めており、11日発表予定の米12月消費者物価指数(CPI)が大きな注目を集める。CPIが強めの内容となった場合には、米国の早期利下げ期待が後退し、米グロース株が一段と買いづらくなる可能性がある。このことは国内の半導体株や電子部品株にも警戒材料となる。ただし、その際には円安(ドル高)が進む可能性が高く、自動車株には好影響が期待できる。CPIが弱めであればグロース株の反転が見込まれることから、どちらに転んでも悪くはない。ファーストリテイリングなど小売のメジャーどころの決算が出てくることで、各社の業績を見ながら個別物色も盛り上がってくると思われる。日本株は下げづらく上げやすい地合いが醸成されると予想する。


【今週を振り返る】
 下げて上げて週間では下落した。2024年の第1週は2営業日のみで、大発会の1月4日は大荒れの展開。休場の間の米国株がさえない動きとなったことに加えて、国内では1月1日に能登で大規模な地震、2日には航空機の衝突事故が発生したことから、前場では下げ幅を700円以上に広げる場面があった。ただ、押し目では買いが入り、175円安まで戻して終了した。5日は円安進行を好感した買いが入ったが、米雇用統計の発表を控えていたこともあり、高くなったところでは上値が抑えられた。日経平均は週間では4週ぶりに反落し、約86円の下落。ただ、大発会の発射台が低かったことから、週足では4週連続で陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、12月東京都区部消費者物価指数、11月家計調査(1/9)、11月毎月勤労統計調査、10年国債入札(1/10)、11月景気動向指数(1/11)、12月景気ウォッチャー調査、30年国債入札、オプションSQ(1/12)などがある。


 海外の経済指標の発表やイベントでは、米11月貿易収支、米3年国債入札、米10年国債入札(1/10)、米12月消費者物価指数、米12月生産者物価指数(1/12)などがある。

 米企業決算では、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ユナイテッド・ヘルス・グループ、ジェーピー・モルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(1/12)などが発表を予定している。
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