NY為替見通し=中東情勢に警戒、ドル円は神経質な動きとなるか

 本日のNY為替市場のドル円は、緊張度の高まる中東情勢が否応なく意識される中、神経質な展開が見込まれる。

 前週末にイスラエルがイランに攻撃を行ったことで、中東情勢が一気に緊迫化している。本日は「イスラエルのイラン最高指導者殺害計画を米国が拒否」と報じられるなど、依然として緊張度の高い状態が続いている。万一、双方の攻撃が激化するようだと、リスク回避ムードが一段と強まることで株価が下落し、結果ドル円やクロス円の重しとなることが予想される。現時点ではイスラエルとイランの2国間での戦争状態に留まっているが、周辺国や米国を巻き込む場合は事態が一段と混迷化してリスク回避ムードに拍車をかけることも懸念される。

 さて、相場格言で「遠くの戦争は買い」というのがあるが、中東は日本や米国と地理的に距離がある。このことから、ショック的な初動が落ち着く動きを見せる場面では、本日の東京市場のように下落したドル円や株価が反発することもあり得る。いずれにせよ、ドル円は神経質な展開は避けられそうにないと見る。

 また、本日からG7サミットが開催される。平時であればトランプ米大統領による関税に関する発言に注意といえるが、今回に関しては同大統領や参加者から緊迫化した中東情勢に対してどのようなメッセージを出すかも気になるところである。

 なお、経済指標では、NY時間序盤に6月ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表予定。市場予想は-6.0と前月の-9.2よりわずかに改善見通しだが、4カ月連続マイナスが見込まれている。もっとも、前週末の6月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を上回ったが反応は薄かったことを考えると、現在の市場環境では手掛かり材料になりにくいかもしれない。


想定レンジ上限
・ドル円は、日足・一目均衡表の基準線145.39円

想定レンジ下限
・ドル円は、13日安値142.80円


(川畑)
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