NY為替見通し=ドル円、下げ一服の可能性はあるが戻りは鈍いか

 ドル円は来週の日米協議での円安是正への警戒感がから3日連続で下値を広げる動きとなっている。米中の関税の大幅引き下げを好感した上昇幅を全部吐き出し、週末の本日は下げが一段落する可能性はあるが、戻りの鈍い動きが見込まれる。

 来週の20-22日にカナダで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を開く予定で、個別会談があるとすれば 22日以降になりそうだ。それまでは円買い圧力がかかりやすい。加藤財務相はG7でベッセント財務長官との個別会談実施で調整していることを明らかにし、為替について協議する意向を示している。

 今週、前半米中協議の進展を好感する動きとなるも、ドル高に振れる動きは限られた。米中協議の進展から米国のスタグフレーション懸念はやや和らぎ、早期の利下げ期待も後退したが、米景気減速への懸念が根強いことも一因か。今週、米国では4月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)、小売売上高などが発表された。一部の関税が発動され、インフレ加速の兆候が現れることも予想されたが、物価統計はともにインフレ減速が確認された。また、消費も駆け込みがあった自動車や、ガソリンを除いたものでは伸び悩みが確認され、低調な製造業景況感や雇用情勢が示された。本日のNYタイムでは4月の住宅データや5月ミシガン大学消費者態度指数・速報値などの発表が予定されている。さえない結果となれば、米経済の先行きへの不安でドルに売り圧力が強まる可能性がある。

・想定レンジ上限
 ドル円、日足一目均衡表・雲の下限146.46円近辺が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、9日安値144.83円や日足一目均衡表・基準線144.27円近辺が下値めど。

(金)
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