東京為替見通し=ドル円は日銀後のレンジ半値を戻す、日米長期金利に左右される相場継続

 海外市場ではドル円は、米長期金利の低下に伴うドル売りが強まると一時146.66円まで値を下げた。しかし、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ると、米長期金利が上昇に転じたためドル円も147.64円付近まで買い戻しが入った。ユーロドルは、米長期金利の低下に伴うドル売りが出ると1.0932ドルと日通し高値を更新したが、米金利が上昇に転じると1.0878ドル付近まで下押しした。

 本日のドル円は、日米長期金利の動向を見定めながらの取引となるか。日銀政策決定会合後のドル円レンジは、高値が23日のNY午後に付けた148.70円、安値は昨日のNY午前に付けた146.66円になり、本日早朝にはそのレンジの半値(147.68円)に近い水準まで戻している。ここからは、再び仕切り直しとなり、日米の長期金利の動向がドル円市場を左右することになりそうだ。

 円買いを促すのが、本邦長期金利の上昇。長期金利の指標となる10年債利回りは昨日0.74%まで上値を切り上げ、約1カ月ぶりの水準を回復した。植田日銀総裁の会見がややタカ派寄りと捉えられたことがきっかけだが、経済界が賃上げを積極的に進め、マイナス金利解除を促そうとしているのも一因だ。経団連と連合が賃上げの方針などを示す「労使フォーラム」が昨日に開催され、実質春闘が始まった中で、すでに大企業を中心に物価高を超す賃上げ表明が相次いでいる。マイナス金利は4月解除予想が依然として濃厚だが、解除への道のりが見えてきていることは円買い要因となる。

 一方で、ドル買い要因は昨日の1月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回るなど、米経済指標が好結果なことで、これまでの米連邦公開市場委員会(FOMC)の早期利下げ観測が後退していることがあげられる。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、3月の利下げ予想が先週までは過半数を占めていたものが、昨日は据え置き予想が過半数になるなど見通しに変化が生じていることはドルの支えになりそうだ。
 
 本日のアジア時間では、本邦から対外対内証券投資が公表される。先週発表された同指標では、国内居住者の対外投資が7833億円の買い超、非居住者の国内証券投資にいたっては、1兆2026億円の買い超と、いずれも大幅に数値を伸ばした。年初から始まった、新しい少額投資非課税制度(新NISA)の影響からドル買い意欲が旺盛となったとされているが、本日発表される前週分がどのような推移をたどっているかが、今後のドル買い意欲を占う面でも注目される。

 なお、本日は欧州入り後には欧州中央銀行(ECB)をはじめ、複数の国が政策金利を発表することで、アジア時間では円以外の相場が動意づくのは難しいだろう。

(松井)
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