株式明日の戦略-下げて戻して小幅高、CPIは米国株高を呼び込むか

 11日の日経平均は3日続伸。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり823/値下がり750。川崎重工、IHI、三菱重工の防衛大手3社が人気化。全市場の売買代金トップ3を独占し、1位の川崎重工は10.3%高と値を飛ばした。証券会社が投資判断を引き上げたT&DHDが大幅上昇。業績関連のリリースを材料に萩原工業や東建コーポレーションが買いを集めた。前日非公開化観測を受けてストップ高となったトプコンは、会社から決定事項はないとのアナウンスが出てきたものの買いが殺到。連日のストップ高となった。

 一方、主力どころでは、サンリオ、ソフトバンクG、第一三共などが軟調。業種では東電HDや関西電力など電力株が軒並み安となった。決算を材料にベステラが大幅安。3Q累計で営業減益となったポールトゥウィンが一時ストップ安となるなど急落した。

 日経平均は前場は安値引けとなったが、後場は冷静に押し目買いが入った。前引けの39112円がきょうの安値で39000円は割り込んでおらず、終値(39372円)では5日線(39277円、11日時点)を上回っている。小幅高ではあったが、下値での買い意欲が強いことを確認できた1日。なお、場中に無駄に値幅が出た分、防衛関連など一握りの銘柄のボラティリティは大きくなった。

 本日米国で発表される11月の消費者物価指数(CPI)は、強ければ12月FOMCでの利下げ見送りが意識されて、米国株安や米長期金利の上昇を招くと思われる。ただ、その場合でも実際に利下げが見送られるとは限らない。また、仮に利下げが見送られたとしてもあくまでスキップで、打ち止めではない。見送りの場合、米国株の年末一段高に対する期待は後退するが、その次のFOMCでは利下げが濃厚となる。CPIが想定線、もしくは弱い結果であれば、12月FOMCでは順当に利下げが実施されるとの見方が強まり、米国株は上昇すると見込まれる。米国株に関しては、今回のCPIが強かろうと弱かろうと、中期的な上昇トレンドが崩れる可能性は低い。CPIが米国株の上昇を促し、リスク選好ムードが高まる中で日本株も水準を切り上げる展開に期待したい。
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