ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、続伸

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は143.07円と前営業日NY終値(142.33円)と比べて74銭程度のドル高水準だった。英・独株価指数が約1カ月ぶりの高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移する中、欧州市場序盤に一時143.15円まで上昇した。
 NYの取引時間帯に入ると、4月ADP全米雇用報告や1-3月期米国内総生産(GDP)速報値、4月米シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時142.52円付近まで下押しした。
 ただ、「米国は関税問題を巡る交渉を目指し、様々なルートを通じて中国側に積極的に接触を図っている」との中国メディアの報道が伝わると買い戻しが優勢に。一時780ドル超下落したダウ平均が上昇に転じ、200ドル超上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには143.19円と日通し高値を付けた。

 ユーロドルは続落。終値は1.1328ドルと前営業日NY終値(1.1387ドル)と比べて0.0059ドル程度のユーロ安水準となった。低調な米経済指標が相次いだことを受けてユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが出たものの、上値は重かった。フィキシングを通過したあとは全般ユーロ売りが優勢となり、5時30分前に一時1.1317ドルと日通し安値を更新した。
 なお、ユーロ豪ドルは一時1.7672豪ドル、ユーロNZドルは1.9060NZドル、ユーロカナダドルは1.5604カナダドル、ユーロスイスフランは0.9330スイスフランまで下落した。

 ユーロ円は小幅ながら3日続落。終値は162.01円と前営業日NY終値(162.08円)と比べて7銭程度のユーロ安水準。1-3月期米GDP速報値が約3年ぶりにマイナス成長に陥ったことを受けて米国株相場が下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。フィキシング通過後は全般ユーロ安が進んだ流れに沿って一時161.71円と日通し安値を更新した。ただ、ダウ平均が持ち直すなど、米国株相場が底堅く推移すると下げ止まった。

本日の参考レンジ
ドル円:142.17円 - 143.19円
ユーロドル:1.1317ドル - 1.1399ドル
ユーロ円:161.71円 - 162.65円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。