ニューヨーク外国為替市場概況・2日 ドル円、4日ぶり反落

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は144.96円と前営業日NY終値(145.39円)と比べて43銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回った。指標発表直後はドル買いが入ったものの、反応は一時的。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待からダウ平均が一時630ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景とした円売り・ドル買いも出やすく、3時30分過ぎには145.08円付近まで下げ渋った。

 ユーロドルは4日ぶりに小反発。終値は1.1297ドルと前営業日NY終値(1.1290ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ高水準となった。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
 ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1293ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。

 ユーロ円は反落。終値は163.80円と前営業日NY終値(164.18円)と比べて38銭程度のユーロ安水準。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが優勢となった。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると164.02円付近まで下値を切り上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:143.73円 - 145.92円
ユーロドル:1.1274ドル - 1.1381ドル
ユーロ円:163.46円 - 164.63円

(中村)
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