NY為替見通し=米関税協議の行方を注視しつつ米指標を確認

 本日のNY為替市場のドル円は、米国の貿易交渉に関する報道に注意しつつ、米指標に注目することになろう。

 米国では複数の指標発表が予定されているが、メインはやはり4月米ISM非製造業景況指数だろう。市場予想は50.2と前月50.8を下回る見通し。今後トランプ関税による景気への影響が懸念される中、好不況の分岐点とされる50を割り込むようならば、ドル売り材料となる可能性がある。反対に、前月を上回るなど予想外の結果となればドル買いでの反応も見込まれるが、トランプ関税による景気後退が懸念される中とあっては、前週2日の米4月雇用統計の様に一時的な反応に留まる恐れもあろう。

 また、4月米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の発表もあるが、こちらは改定値のためよほど速報値から外れない限りインパクトは小さいと見る。そのほか主だった要人発言が予定されていない。

 経済指標以外にも、米国の貿易交渉に関する報道にも、引き続き注意が必要である。先週は米中貿易摩擦の緩和期待を背景に、市場はリスクオンの流れとなった。現時点では両国間で何か合意に至ったわけではないため、発言一つでムードが変わる恐れがあることは念頭に置いた上で取引に臨みたい。

 トランプ政権は3日に、輸入されるエンジンなど主要な自動車部品に対して25%の追加関税を課す措置を発動。日本や欧州などへの影響が懸念される。続いて4日にはトランプ大統領は「外国製作の映画に100%の関税課す方針」とするなど、火種は絶えない。米中に限らず、ひとたび関税戦争の激化を想起させる内容が伝われば、リスク回避ムードに戻される恐れがある点は注意したい。


想定レンジ上限
・ドル円は、現時点での本日高値145.00円

想定レンジ下限
・ドル円は、1日安値142.88円



(川畑)
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