12日香港株=続伸か、米中貿易協議の進展が支え

 週明け12日の香港市場は続伸か。関税を巡る米国と中国の協議が進展したことで、運用リスクが取りやすくなるだろう。スイスのジュネーブで11日午後(日本時間12日未明)に協議が終了した後、ベッセント米財務長官は「米国と中国の非常に重要な貿易協議で、確かな進展があった」と述べた。中国側の交渉責任者である何立峰副首相も記者会見で「重要な共通認識に達するとともに、実質的な進展があった」と述べ、両国が経済・貿易協議の枠組みを設けることで一致したと明らかにした。合意内容はスイス時間12日に発表する共同声明で公表する見通し。

 前週末にかけて公表された中国の経済指標がおおむね堅調だったことも、買い安心感につながりそうだ。9日発表された2025年4月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比8.1%増となり、市場予想(1.9%増)を大きく上回った。輸入は0.2%減で、市場予想の5.9%減から上振れした。10日発表された同月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%下落となり、市場予想と一致。生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.7%下落で、下落幅が前月から0.2ポイント拡大したものの、市場予想(2.8%下落)より小幅だった。

 9日のNY株式相場はダウ平均が3日ぶりに反落した半面、ハイテク株主体のナスダック総合が小幅ながら3日続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は大型ネット株のアリババ集団(09988)とテンセント(00700)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(00005)、中国政府系不動産デベロッパーの華潤置地(01109)が上回って終えた。

(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。